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耳を真っ赤にして、手の動きが大きくなった。


そして、目を合わせた。






山田「だから、あの、いや・・・俺、何言ってんだよ!」





A「別に、大丈夫・・・」




ちょっと笑ってしまった。






山田「あの・・・本当は聞きたくねえけど、

  でも、今後の俺の為にも、聞いていい?」







A「何を?」






山田「え?あのー、もう経験済みだよね・・・」











え?「何が」かは言わなかったけど、



話の流れからすると、そういう事だよね?



必死に質問してきた感じが、痛いほどわかったから。









A「まあ、私も21歳なんで・・・」






山田「だ、だよな。


  そうだよな。


  良かったような、嫌なような・・・」






ブツブツ言いながら、右手で後頭部をかいている。






山田「でも、あれだよ。

  年上の人だから、こんな事聞いたんだからね」






A「わ、わかってるよ」





涼介くんと初めてしたキスの事なんて、忘れちゃうくらいの、このやりとり。




なんか、笑っちゃったんだよね。











A「じゃあ、そろそろ片付けよっかな。

  涼介くんも手伝って」






山田「うん」










そのままになっているテーブルの上のお皿を重ねた。







A「キッチンに、運んで」






山田「わかった」












狭い狭いキッチンで、隣に並び、


私が洗って、涼介くんがふく係をした。





11月下旬の水道から出る水は冷たいので、


温めの・・・そう、私達みたいに、ぬるーいお湯で


一つずつ、片付けていった。






A「結構、手際いいね」





山田「坂本んちに行くと、手伝ってるからね」





A「そっか、なるほどね」





そう言うと、涼介くんと目があって、ニコッて笑い合った。












まだ、帰る時間じゃないし、


この前、テレビでやってた映画を録画したので、


一緒に見る?って聞いたら、


観たいって言うので。





コーラをグラスに注ぎ、映画館みたいにストローをさし、


ポテトチップをお皿に広げて、


二人並んで、ベッドによりかかりながら、


「新感覚ホラー」というジャンルの映画を観た。





恋人同士で観るといいなんて言われてたから、


自然に体がくっついて、力が入り、目が離せなかった。




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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年6月22日 17時

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