38 Ryosuke ページ38
Ryosuke
A「熱いから、フーフーしてね」
それを言い終る前に、口の中に入れてしまった俺らは、
大パニック！！
山田「あふっ、あふっ」
知念「あーーーっ！」
口元を手で隠し、慌ててコーラを飲んだ。
山田「やべえな、これ！」
A「熱いって言ったじゃん！
もーー！」
Aちゃんも、ケラケラ笑って、
俺らのグラスにコーラを足している。
そういう、さりげないとこ、好きかも。
自分は、お皿に乗ったたこ焼きを、お箸で半分に切っていた。
そしてフーフーしながら、半分をパクッて食べていた。
小さめの口に、食べ物を入る瞬間・・・
ちょっと色っぽくて、でも可愛さもあった。
もしかして、Aちゃんが食べるとこ、初めて見たかも。
そして、目を細くして微笑み、
A「美味しい！んふっ・・・」
なんだよ、その『んふっ』ってやつは！
口元ばっかり気になってしまって、もしかして耳が赤いんじゃないか心配だった。
A「次も、タコでいい？
半分、なんか違うのにしてみようかなー」
山田「へー、何がオススメ？」
そう聞くと、キッチンに行き、冷蔵庫が閉まる音がした。
密閉容器の蓋を開きながら
A「チーズとコーンとキムチなんて、どお？」
知念「よかった！とんでもない事言われたら、どうしようかと思った」
やっと口を開いた知念。
身の危険を感じてたのかな。
A「あぁ、私があんまり甘いたこ焼き好きじゃないから、安心して！」
山田「いや、甘くなくたって、納豆とか言われたらどうしようかと思ったわ」
A「納豆キムチも美味しそうだけどね」
知念「僕、そっち食べたい！」
俺が嫌いなの知って、二人ともひでえな！
・
知念にも笑顔が出てきて、
俺とAちゃんでクルクル回して、
学校での話とか、小さい頃の話とか、
知念は体操部だとか、
知念は優秀で、もっといい大学目指したいから、外部受験するんだとか、
俺ら、男子高校生の話を、一生懸命聞いてくれてた。
食べ方もやっと慣れてきた頃には、お腹がいっぱいになって、
だいたい、具材もなくなっていた。
Aちゃんは、「残った生地を焼いちゃうね」って、最後まで材料を残さないようにしていた。
・
時計を見ると、14時くらいになっていた。
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年6月22日 17時
