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紳士「だから、日常の事は、我々になんでも話してくれまして、

  出来るだけアドバイスや協力をさせていただいてるんです」





A「お母様がいらっしゃらないって、話してましたけど」





紳士「ええ、そうなんです。

  ですから、我々がその代わりの様にさせていただいてます」





A「あのー、山田くんのお父様って、なんかすごい会社とかを経営されてるんですか?」





紳士「まあ、そうですね、そうなんですけど、

  涼介さんが、そういう話をしてないようなら、私共の口からは、申し上げられませんが」





A「不思議な事、いっぱいあって。

  内部進学できるはずなのに、うちのような小さな塾に来てたり、

  きっとご自宅から、遠いですよね。

  それなのに、なんで?って」






紳士「まあ、そういう事は、ご本人が話す事ですので、私共はなんとも・・・」






A「あのー、さっきお願いがあるっておっしゃってましたよね」





紳士「ええ、あのー、先程も申し上げました通り、お母様がいらっしゃらないので、

  もし何か相談などをしてきたら、先生の立場というより、お姉さんのような感じで

  接していただけないかと。

  あとですね、幼稚園の頃から、平成学園にずっと通ってますので、

  広い世界を見せてあげて欲しいって事。



  食事の準備は、プロの料理人がやっておりますが、

  美味しい物を食べてはいるんですけど、家庭的かって言ったらそうでもなくて。

  いつも高級レストランの食事のようで、静かなところで、黙々と食べてるんです。

 

  他の事もそうですけど、一般の家庭とは、少し違う事がありまして、

  そういう事を、教えてあげて欲しいんです」






A「でも、そういうご家庭に育てば、将来的にもそういう生活が待ってるんじゃないんですか?」







紳士「涼介さんは、自分がやりたいって思う事を、なんでもやってみたい人なんです。

  それは旦那様もわかっていて、次男様という事もあり、目をつぶっている所があるんです」







運転手「そろそろ着きます・・」





そう声がかかり外を見ると、見慣れた景色だった。


外の雨も、弱くなり、傘がなくても、走っていけそうだった。




紳士「すみません、一方的にお願いだけしまして・・・」





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年6月22日 17時

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