きらめきソーダ水 (Ryosuke.Y) (ページ1)

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1　9月始めページ1

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まだまだ残暑が続く九月始め。

今日もバイト先の塾に向かっている。

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私の通う私立大学は、三多摩地区とか東京都下(とか)などと呼ばれている23区外にあるけど、

うちの実家がある千葉の田舎からすれば「都内の大学」になる。

とっても通えないので、親に無理を言って、一人暮らしをさせてもらっている。

少しでも親に負担にならないようにと、大学二年の三月から、バイトを始めた。

飲食関係・・・

ファッション関係・・・

コンパニオンなんて、絶対無理だし

夜の仕事も・・・やっぱり無理。

私に出来そうなバイト・・・いっぱいいっぱい探したけど、ギリギリ出来そうなものをやっと見つけた。

大学の最寄り駅の隣の駅にある、地元の人には知られているけど、

全国的・・・いやいや、東京の人にも知られていないような、地域限定の塾。

それも、現役生専門の、大学受験の為の塾。

私も千葉の田舎のそういう塾に通ってたし、なんとなく想像できたから。

それも、講師ではなく、サポートをするだけでいいらしい。

あとは、電話番から教材のプリントをコピーしたり、

保護者向けのメールの発信、面談の時間の割り振り・・・

いわゆる、なんでもやる雑用係。

私と、もう三人そんなバイトがいて、私は週に二、三回働いている。

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駅前の雑居ビルの一階の正面から入ると、塾のロビーが広がる。

電車を降りて、まだ数分だって言うのに、汗が、額からこめかみから、

じわじわと湧き出てきて、ハンカチで拭きながら、自動ドアを開いた。

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ロビーを占領している、ワントーン高い声が、こちらを向いたのがわかった。

世の中では「JK」と呼ばれている女子高生達が、

大学生の私に興味があるのか、多分、からかわれてるんだろうけど、

めちゃくちゃ同じ目線で話しかけてくる。

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女生徒「ねえ、A先生！そのワンピ、どこで買ったの？」

A「え？ファストファッションのお店だけど・・・」

女生徒「え？！可愛いー！！」

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なんでも、可愛いって言うんだよね、きっと。

半年間で、本気で喜んではいけないって知ったんだよね。

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