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A「え？何か、飛び出たやつ？
びっくり箱かと思ったやつ？
このダイヤの証明書とか？」
有岡「いや・・・違うんだけどさ」
二人で、布団をめくったり、枕を動かしたり、一生懸命探した。
フローリングの床に、小さく折り畳まれた紙を見つけた。
A「これ？」
有岡「あ、そうそう。そっと、開いてみて」
A「え？あ…うん」
何重にも折り畳まれている紙…
お手紙にしては、小さくたたみ過ぎじゃないの？
あと2回開けば、全部開くかなというところで、茶色のフチが見えた。
これは、あの情報誌で見た事がある・・・
A「大貴…え？何で？」
有岡「何でって、ダメ？
忘れちゃうといけないから、どっちかの誕生日とか、
覚えやすい日がいいよってアドバイスがあってさ。
いいでしょ？」
再び、大貴に飛びついた。
大貴の首に腕を回し、大貴は私をしっかり受け止めている。
有岡「明日さ、出しに行こうよ。
住んでるとこじゃなくても、大丈夫なんだって。
その代わり、戸籍謄本が必要だから、事前に取ってきてもらったんだけどね。
印鑑だけは、持ってきてって言えなかったよ。
何に使うか、説明を考えたんだけど、無理だった。
お母さんに、借りてきたから、終わったら返そうね」
その紙をもう一度よく見た。
A「え！うちの父のサインがある…」
有岡「うん、うちの両親じゃなーって思って、
Aんちの実家に行ってきた。
一応さ、正式に婚姻届出しますので、って言っておかなくちゃね。
だから、両方の父親が「証人」です。いいよね？」
A「大貴・・・
何か、色々急すぎて・・・私・・・」
有岡「何？幸せすぎて、怖い？」
ちょっとからかった風に言われたけど、その通りだったから、また大貴の首に抱きついた。
有岡「もうさ、三回くらい書き直して、大変だったから、
明日、もう少し脳ミソがシャキッとした時に、
鉛筆で下書きしてから、清書しようね。
俺さ、このサプライズするのに、色んな事考えてて、
成功するかなーとか、喜んでくれるかなーとかね。
だから、Aにチューするの忘れちゃったんだよね。
でもね、独身最後の夕飯は、もっと幸せいっぱいにしたかったな」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年5月21日 18時
