42 Daiki ページ42
Daiki
帰りも、Aは俺の車に乗って、うちに帰るんだけど、
やっぱり嫁いだら、相手の家の人になるんだなって、あらためて思った。
Aのお母さんとお父さんは、寂しそうに手を振ってたから。
いつだったか、Aに怒られたんだっけ。
実家の親の気持ちを考えるようにって。
車の中では、うちの母ちゃんが嬉しそうだし…
こんなに立派に育ったお嬢さんを、いただいたんだなって、しみじみ思ったんだ。
帰ってすぐ、父ちゃんから風呂に入りだし、次に母ちゃん、
その次に、俺とAが入る事になった。
もちろん、Aは最後でって言いだしたんだけど、
さっきの、お母さんとお父さんの顔を思い出したら、
一番最後とか、ちょっと無理だなって思って。
まあ、本音で言えば、俺が一緒に入りたいだけなんだけどね。
お風呂の順番が来るまで、荷物を広げたいからって、俺の部屋に行く事にした。
A「ふふっ、大貴の匂いがする」
有岡「え？！何？臭いの？」
A「いい匂いだよ」
そう言って、俺の胸の中に入って、腰に腕を回した。
A「久しぶりに抱きついた」
有岡「疲れた？疲れたよな・・・」
俺の事見上げてる目が、疲れたーって言ってて。
頼られてるのが心地よくて、そっと唇を合わせてみた。
ベッドの上に腰かけて、腰を抱いた。
A「前に、ちょっとだけのぞいた時より、ずいぶん片付いたんじゃないの？」
有岡「かなり、捨てた！
服とかスニーカーとか、フィギュアもそうだし、
学生の時の本とか」
A「じゃあ、私からのお願いの物も片付けたんだね」
有岡「そんなもん、最初からねえけどな。
それに、俺もこの部屋出て行くわけで、
そういう片付けもしたんだよね。
だから、ギリギリ、床に布団を二枚並べられるでしょ！」
A「え？大貴は、ベッドで寝ていいよ」
有岡「バカなの？」
Aは、どこまで本気で言ってるのか、ホントにわかんない。
風呂だと呼ばれて、その会話は終わったけどね。
・
Aと一緒に風呂を出た。
A「お風呂、ありがとうございました」
有岡母「ねえ、Aちゃん、これ一緒にやらない？」
きっと、今日の為に、買ってきたんだろうな。
テレビで見た事がある、派手なシートマスク…
A、ホント、ごめん！
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年5月21日 18時
