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車に乗り込み、記念の場所を後にした。


有岡「こんな時期でも、いちご狩り出来るとこがあるらしいから、行ってみない?」



A「えー!そうなの?楽しみかも」




有岡「そういえばさ、さっき知らない着信あって、なんだろうって思ったら、、

  あれだよ・・・グラス!

  グラス取りに行かなくちゃいけなかった」





A「あ、すっかり忘れてたね。

  あれって、おとといの事なんだよね。

  去年くらいの感覚だよね」





有岡「おいっ!俺が一生懸命考えたんだぞ!」





A「ふふっ、ごめん・・・

  どんな風になったかね。

  グラス、大貴が持ってて。

  東京に住むようになってから使おう!」





有岡「うん、そうだね。

  新居の事も、考えねえとな」










幸せな二人は、いっぱい話したい事があって。


ずっと話していたくて。





いちご狩りの最中だって、食べるのと喋るのと、忙しくて。



秋のイチゴも、なかなか美味しくて、

まあ涼しい気候のせいなんだろうけど、満足だった。





グラスも、使えるくらいいい感じに出来上がってて、



そのまま高速に乗って、大宮を目指した。




途中、サービスエリアで早い夕飯兼お昼ごはんを食べ、


あっという間に、大宮駅のロータリーに到着した。





A「また二週間後だね。

  なんか、夢みたいな三日間だったな」




左手薬指に、視線を落とすと、

私の左手をそっと取り、そして両手で握り、

指輪に軽くキスをした。





A「大貴・・・早く一緒に住みたい」





有岡「そうだな」





お互いシートベルトを外し、少し離れたところから、抱き合った。

完璧にくっつけない、もどかしさ・・・


大貴に頭を押さえられたので、至近距離で大貴の目を見た。




有岡「ちゃんと一緒に住むから、だからもう少し待ってて」




A「うん・・・」




そのまま、当たり前のように唇を重ねる。




その唇が離れた瞬間、魔法がとけてしまったかのようだった。

私が帰るべき家に向かう為に、車を降りた。



大貴も車を降り、荷物を降ろしてくれ、

もう一度抱きしめられ、髪の毛にキスをされた。



「またね・・・」



お互いにそう告げて、新幹線のホームに向かった。



平日の夕方はサラリーマンが行きかい、

また始まる、仙台での一人暮らしの現実を、受け入れるのが辛かった。




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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年5月21日 18時

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