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その観光エリアのカフェで、朝食をとった。

多分、去年と同じモーニングプレート


厚切りトースト
自家製ベーコンエッグ
ソーセージ
ほうれん草とベーコンのキッシュ
高原野菜のサラダ
ミネストローネ
カフェラテ


今日も大貴に、ソーセージをあげたら、ちょっと興奮気味に目をクリクリさせて喜んでいた。




A「あっ・・・ごめん、会社から電話・・・」



すごく喜んでた顔が、歪んでしまった。



私は、カフェの外に出た瞬間、現実の世界に引き戻されてしまって、

大貴同様、顔が歪んじゃったと思う。



A「ごめん、ごめん」




有岡「大丈夫だった?」




本当は、嫌なくせに、私の仕事を理解してるからか、一応心配してくれるんだよね。




A「大丈夫だよ。

  今ね、A課代って呼ばれたの。

  本当は、もう違うのにねって思っちゃった」






有岡「有岡課代・・・

  なんか、俺が課長代理になったみたいだな」





A「ふざけてないで、現実にそうなってよね!」




有岡「すみません・・・」




A「ふふっ、可愛い・・・」




カフェラテを「アイス」で注文するのを忘れたから、

ほっぺを膨らませて、フーフー冷ましている。


こんな風に、向かい合ってご飯を食べる事さえ、今は特別な時間。

忘れないように、その姿を、記憶するのに必死だった。











ホテルに戻り、荷物をまとめて、チェックアウトをした。

来た時は、こんな気持ちで帰るなんて思ってなかったけど。

人生の大きな節目を過ごした三日間だったな。



そうそう、大貴が注文してくれたラナンキュラスのブーケは、

ドライ加工サービスをしてもらい、保存出来るようにお願いしたの。

もしかしたら引っ越すかもだから、大貴んちに送ってもらう手配をとってね。

それも楽しみなんだ。










また観光エリアに戻り、お土産を買った。


以前来た時に、木のお皿を買った、木製品専門店で、大貴が欲しがるものがあって。




有岡「もしかしたら、必要になるかもしれないじゃん!」




A「え・・・でも、まだわかんないじゃん」




木で出来た、車のオモチャ。




有岡「いいでしょ?」




A「・・・どうぞ」





大貴・・・そんなに子供が欲しいのかな。

一緒に住めるようになったら、ちゃんと計画しないとな。



自分が買ってもらったくらいの笑顔で、お会計をしていた。





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年5月21日 18時

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