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本当は、あんなに何度も「ごめんなさい」って言うべきじゃないのに、
口から勝手に出てきちゃって。
おびえてるのかって、そんな風に思われてないかな。
急に、結婚の報告をするなんて。
まだ、大貴は、不安な気持ちなんだね。
知らなかったよ。
露天風呂がある温泉で、静かな空を見上げながら、今日一日を振り返った。
入籍するだけだって緊張したのに、突然のサプライズ結婚式。
私の希望通りの、アットホームな素敵な式だった。
『安心して俺に全てを任せて欲しい…』
そう言ってくれたのが、すごく頼もしいし、ドキッとしたし。
真っ暗な空に無数の輝きを見上げ、
「一生ついて行くから・・・」
あらためて、そう月に約束したの。
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脱衣場で、体を拭きながら、今日も大貴に愛されるのかな･･･なんて思うのって、
やっぱり変かな。
また明日、離ればなれになっちゃうから、
ずっと大貴の腕の中にいたい･･･それだけなんだ。
どうしようか悩んで、結婚指輪を外して温泉に入ったんだけど、
付ける時に、初めて気がついた。
内側に、今日の日付と「D ＆ 私のイニシャル｣
婚約指輪と、一緒な日付で。
憧れてきた左手の薬指に、
今後ずっとくっつく予定のこの指輪。
「D」という文字と「＆」が、二人は一生離れないよって感じで。
この指輪に、縛られて生きていくのが、とっても嬉しい・・・
同じ刻印を、大切な人と共有する幸せ。
指輪をしてる大貴を見て、周りの女の子がショックを受けるんだろうなって思うと、
嫌なやつだけど、「ざまあみろ！」ってさっきの大貴と同じ事を思っちゃった。
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指輪を定位置の薬指につけ、左手を目の高さより上にあげ、見上げた。
ねえ大貴、知ってる？
私達の言い争いの原因って、お互いを好きすぎるって事がほぼなんだよ。
・
A「ハッ！」
もしかして、随分大貴を待たせてるかも。
慌てて、着替え、ドライヤーをして。
ロビーに飛びだしたら、すぐに大貴が見つかった。
コーラを片手に、スマホをいじっている。
コーラを持つ左手には、私と繋がっている、まだ初々しい指輪が、キラリと光って。
私の気配を感じたのか、すぐに顔を上げ、新米の旦那様っぽく、微笑んだ。
え？彼氏と旦那様の違い？
余裕な感じかな。
絶対、待ってる人が来るって言う余裕。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年5月21日 18時
