27 Daiki ページ27
Daiki
Aにスマホの画面を見せたけど、
もしかして、見たくなかったかな、なんて思いながら。
A「あ、ホントだ。
やっぱ、彼にはこういう可愛い人が似合うよね。
ちょっと、貸して・・・」
そう言って、俺のスマホを取り上げた。
『幸せになります！』
そう入力して、送信していた。
その顔は、元カノというより、塾の先生の顔だった。
いつだったか、あいつの会社で盗み聞きしちゃった時にも、
最後は、塾の先生の顔をしてたっけ。
有岡「Aは、俺にしか似合わねえかんな！」
A「ふふ、何か変だけど。
そんな事、知ってるよーだ」
また、Aに助けられたよな。
ん？山田さんか？
A「大貴・・・」
俺の腰に、両腕を回し、目をつぶって、上を見ている。
キスのやり直し・・・だよね。
さっきみたいな乱暴なキスじゃなくて、
Aが好きな、甘いヤツ・・・
何度も軽いキスをして、おでことおでこを合わせたら
A「うちの主人ったら、私よりヤキモチやきでね、
年下なのを、すごく気にしてるんだー。
でもね、可愛くてカッコよくて、大好きなんだよね」
有岡「なんだよ、それ」
A「主人って言ってみたかっただけ」
そう言って、グイッと背が伸び、Aから唇を合わせてきた。
A「大貴のせいで、お腹すいちゃったよ。
はい、これ着て、行こ！」
有岡「あ、うん・・・」
・
外は、完璧に黒一色になっていた。
昼間の人々は、どこに行ったんだろう。
結局、普通に、俺は「ロースかつ定食」Aは「天ぷらそば」を注文して、
また結婚式の話をして、楽しく過ごした。
・
お風呂は一緒に入りたい気持ちもあったけど、
同じ敷地内にある、温泉も気になっていて。
昨日から、ずっと一緒にいるので、少しだけ、それぞれの時間を作るのも大切かと思って、男女別々の温泉に入る事にした。
露天風呂がある温泉で、静かな空を見上げながら、今日一日を振り返った。
俺的には、反省するべき点がいっぱいあったんだけど、思い出深い一日になったと思う。
『大貴は大貴のままでいいんだよ…』
そう言ってくれたのが、すげー嬉しくて。
真っ暗な空に無数の輝きを見上げ、
「一生大切にするから・・・」
あらためて、月に約束したんだ。
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年5月21日 18時
