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少し揺すって、声をかけ、15分後には目を覚まし、
夕飯に出掛ける準備をした。
外は寒そうなので、去年、色違いで買ったパーカーをかぶり外に出た。
有岡「うおっ、さみっ！目が覚める！」
そう言って自分の腕を組んだので、その腕に絡んで、ギュッとくっついた。
A「お腹空いてきたね」
有岡「いっぱい、食おうぜ！」
A「うん！」
助手席を開け、乗せてくれて、運転席に回って、すぐにエンジンをかけた。
ヒヤッとする室内に、温かい風が吹きだした。
外が暗いからなのか、ナビをセットし始めた。
その細くて節がしっかりした指も好き。
大貴の顔が『見んなよ！』と言いたそう。
有岡「行くぞ」
A「お願いします」
喋らないナビの画面をチラチラ見ながら、
自分の好きな音楽に、たまに体が反応する姿。
やっぱりかっこいい。
着いたレストランは、思ってたより小さくて、
照明が温かめで、ホッと出来そうな雰囲気だった。
「いらっしゃいませ」
店内も落ち着いた感じで、ゆったりとした時間を過ごせそう。
店の奥に案内され、大貴と目が合った瞬間、自然と笑顔がこぼれた。
オススメは自家製ベーコンにラクレットチーズをかけたものらしい。
有岡「じゃあ、それと、あとこのポークステーキにもラクレットチーズかけてもらおっか」
A「うん」
有岡「あと、バーニャカウダね」
こっちを見て『女子の好きなやつだよな』って感じが、ちょっと嫌だった。
女子が好きな物、何でも知ってるもんね、大貴は・・・
有岡「飲み物は、どうする？」
A「ビール」
有岡「コーラ二つで・・・」
店員さんが「え？」って顔してますよ！
オーダーを確認して、テーブルから離れた。
有岡「なんで、怒ってんの」
A「わかんないけど、わかるような・・・」
別にバーニャカウダの事ではないし、ビールを頼んでくれなかったのを怒ってるわけではない。
なんとなくだけど、何かそう思ったんだよね。
A「何か、大貴が私と距離を取ってる気がするから・・・」
有岡「え？！いつもと変わんねえよ」
A「おへその件で雑に扱われて、いつも寒い時は手を繋いだり肩を抱いてくれるのに、
今日は自分で自分の腕を組んでたし、それに・・・それにね」
少しトーンを下げて続けた。
A「まだ、チューしてもらってない」
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年5月21日 18時
