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伊野尾「二人だけの時に、言えよなー」
A「だから、ごめんって・・・
それに、大貴と二人の時は、仕事の事を忘れちゃうんだよね。
元同僚って感じ、なくなっちゃって」
「お待たせしましたー」
黒い鍋に入れられたほうとうが、5人分運ばれてきた。
つい、隣にいる大貴に「熱いからね」なんてお母さんみたいな事を言ってしまって。
みんなに大貴がばかにされちゃって・・・
猫舌だから、心配だっただけなんだよ、ごめんね。
八乙女「あー、食ったなー。
次は、俺が運転な」
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次はさくらんぼ狩りに向かった。
去年よりも、赤くなるのが少し遅いらしく、
それでも小さな赤い実を、いっぱいつけた木は、可愛らしい。
有岡「A、こっち！」
大貴にもらったさくらんぼは、ほんのり甘くて、
A「美味しい！」
その後も、伊野ちゃん、光くん、雄也くんが「こっちの方が美味い！」って
競い合うように、持ってきてくれて。
ちょっとヤキモチやいてるみたいな大貴が「A、ちょっと・・」と私の腕を引っ張った。
有岡「ねえ、二人で写真撮ろっ！
去年みたいに・・・」
二人ともさくらんぼの茎をつまみ、顔をくっつけて大貴のスマホにおさまった。
その後、みんなの所に行こうとしたのに、正面から抱きしめられた。
他のお客さんだっているし、恥かしいから、大貴の胸を押そうと思ったのに、
すごい力で、体が離れなかった。
有岡「去年と一緒じゃ、つまんないから。
今年は、思い出一つ増やすよ」
大貴の腕の力が少し抜け、ホッとして体を離そうとしたら、
私の唇に、チュッていう音と一緒に、大貴の唇が触れた。
A「え・・・」
入口付近で私達を呼ぶ声がして、大貴は何もなかったように「はーい」と返事をした。
私の腕を引っ張って、みんなの所に向かった。
八乙女「そろそろ、行こ」
A「うん！
あっ、大貴、お土産は？買わない？」
おうちにお土産を買っていた大貴にも、ちょっとドキッとしたのを思い出したから。
有岡「あ、うん。
実家用と、俺達の仮住まい用な。
誰かさんが、さくらんぼをモグモグ食べてる顔が可愛かったからさ」
去年同様、全員で写真を撮ってもらって、また車に乗り込んだ。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年4月13日 1時
