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Daiki



みんなゾロゾロと家から出てきて、Aがどこに乗るか指示を出していた。

こういう時、年上の彼女だと助かると実感した。



Aが助手席、二列目にお父さんとお母さん、三列目に妹さん。

妹さんが俺より年上だから、それは気を遣うけど。


Aのナビで車を走らせる。



妹「お姉ちゃん、香水、強すぎない?

  車の中、すごいお姉ちゃんの匂いするよ」




有岡「あ、俺も同じの使ってて。

  そんなに強いですか?」




妹「なんか、ラブラブだね。

  ううん、二人分の香りならいいけど、お姉ちゃん一人だったら強すぎるなって思っただけ」




車の中でも、Aと妹さんとお母さんが、何を食べようとか、同級生の噂とか、妹さんの結婚式の話とか


ずっと喋っていて、お父さんは口出しする事もなく、外の景色を見たり、うなずいたりしてるのを、

バックミラー越しに見ていた。



着いた所は、海岸線に限りなく近く、久しぶりに目にする海に、かなり興奮してきた。



人気のお店らしく、先にお父さんとお母さんと妹さんが降りて、列に並ぶと言い、俺とAだけ残り、駐車場が空くのを待っていた。




A「大貴、疲れてるよね。付き合わせちゃってごめんね」




有岡「まあ、これから家族になるんだし、しょっちゅう来れないから、大丈夫だよ」




A「あのー、あんな風にちゃんと挨拶してくれるって思ってなかったから、

  ビックリしたし、カッコよかった・・・」




Aが俺のももに手を置いた。

甘えてる合図だから、その手の上に、俺の手を乗せ、

Aの指の間に、俺の指を入れ、ギュッと握りしめた。



『キスして』って顔をしてるけど、今は無理・・・




数分後、一台、車が出たので、そこに停めた。


車と車が重なって、お店に並んでる人から死角になり、チャンスだと思い、Aの腕を引いた。




有岡「許可が出て、ホッとしてる」



A「うん・・・」




ゆっくり顔を近づけ、唇を合わせた。


Aの柔らかい唇が気持ちよくて、幸せな気分になった。








俺達二人だけにしてくれたのが、わかっていた。


Aの育った環境が、とてもよくわかり、安心する。




店内は、海の家の豪華版のようで、座敷の席と椅子の席とあり、椅子の席についていた。



入口付近に、水槽が何個もあって、はまぐり、あわび、さざえがいっぱいいて、


それを見ただけで、ワクワクしている。





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作者名:やまぱん | 作成日時:2017年4月13日 1時

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