君に触れたい 6 (Daiki.A) (ページ6)

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有岡「････それで？」

優しい声でそう言い、また自分の胸の中に私を引き寄せた。

私は大貴の胸に寄りかかり、続けた････

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A「職場でも、うちでも、ずっと一緒に過ごせて、本当に幸せだった。

　でもね、転勤するってずっと言えなくて。

　ずっと笑い合ってる毎日が、壊れるのが怖くて････

　でね、みんなと同じタイミングで、転勤するって伝えたの。

　一対一の時には、怖くて言えなかった。

　一緒に暮らしてたら、諦めてた結婚の事････思い出して。

　今してくれなくても、「結婚しよう」って言われるかなって期待してたけど、やっぱり言ってもらえなくて。

　一度転勤したら、3～4年は異動しないと思うから、なんか、そんな遠距離恋愛、続けられるのかなって。

　大貴だって転勤になると思うと、今後一緒になる事ってあるのかなって不安になって。

　結婚したら、会社だって、バラバラにしないと思うから、結婚の約束だけでも、してくれたらって思ったのに。
　

　この会社にいる限り、転勤させられるし、大貴と一緒にいても、結婚は出来ないし、

　だから･････別れようって言ったの。

　すべてから逃げたかった。

　今年29歳になってしまう自分からも逃げたかった。

　だから、お見合いをする事にしたの。

　 20代の方が、いっぱい話があるっていうし、結婚を前提に付き合うんだし、

　年収とか、こっちの条件を満たしてるか、事前にわかるし････

　もし、素敵な年上の人がいたら、一緒になりたいって････

　あとね、これを言うと、大貴が嫌がるけど････

　大貴はモテるから････

　だから、遠くにいるパッとしないおばさんと付き合うより、近くにいて、いつでも抱けるような可愛い子が彼女の方が、いいと思って。

　大貴には････そうして欲しかったし。

　大貴が幸せなら、それでよかった････

　私に楽しい思い出、いっぱいくれて･････

　本当に、ありがとうねって思ってた････」

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声が震えだして、大貴が背中をさすってくれていた。

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