39 Daiki ページ39
Daiki
うん・・しか言わないから、顔をのぞいたら、やっぱり泣きそうな顔をしていた。
さっきのメシの最中も、泣くのを我慢してたけど・・・
おでこにキスをして、髪の毛をなでた。
Aは、オープンハートを触り、俺にピタッとくっついている。
有岡「このまま寝ちゃったら、起きれないかな・・・」
サイドテーブルに置いたスマホでアラームをセットして
有岡「少し、寝ようか・・・」
返事をすることなく、黙ったまま、ゆっくり目を閉じていた。
・
ピピッ ピピッ
手探りで、鳴っているスマホを探していた。
スマホを見つける前に、隣にAがいない事に気が付いた。
上半身を起こし、落ち着いてスマホのアラームを止め、落ちているパンツをはき、
寝室の扉を、勢いよく開けた。
・
カウンター越しに、すっかり洋服をちゃんと着て、エプロンまでしているAがいた。
A「おはよ。ちゃんと一人で起きれたね」
泣きそうだったAはいなかった。
料理をしながら、可愛い笑顔をこちらに向けている。
A「早く、洋服、着てきな・・」
有岡「おぅ・・・」
アラームは18：00にセットしておいた。
その時間に合わせて、夕飯の支度をしてくれたのが、わかった。
キッチンからはパチパチピチピチと、揚げ物の音がしている。
洋服を着て、冷蔵庫からお茶を飲むついでに、何を作ってるのかのぞいたら、天ぷらだった。
A「一人だと、揚げ物とか面倒でしないから。
天丼にしようかと思って。
ごめん、あと味噌汁だけなの」
有岡「全然いいよ。嬉しい！
昼に食った、ミネストなんとかは、もうないの？」
A「え？まだあるけど」
有岡「それも飲みたい！」
Aは、『しょうがないなー』みたいな顔をして、手を動かしていた。
カウンターに出来上がったものが並べられ、俺がそれをテーブルに移動させた。
有岡「いただきます！
うんまっ！」
いつも思う。
Aの作るものは、俺の口にあってんだよな。
天丼のタレの甘さとか、丁度いいわけ。
ミネストなんとかも、あっという間に平らげた。
Aは、エビのしっぽを、口から出してもぐもぐしてる顔が、かなり可愛い。
片付けは、Aがやるというので、俺は帰る準備をすることにした。
あっ、帰るじゃなくて、行くだね。
ここが、俺の家だった。
・
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年3月6日 21時
