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A「大貴、おやすみなさい」
有岡「お、おやすみ」
顔はムッとしたままなのに、ギュッとくっつき、足を絡ませて寝る事にした。
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朝起きて、大貴に取られた私の下着を探したら、すぐ見つかり、すぐに洗濯機に放り込んだ。
今日も二人分の洗濯物をベランダに干した。
そんな事でも幸せを感じて、自然に顔がほころんでいる。
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A「あー、寒っ」
洗濯を干し終ると、まだ大貴が寝ているベッドの中に潜り込む。
大貴は、片目だけ開け、私の顔を見た。
A「おはよ。
今日は何しよっかな」
私にギュッと抱きついてきて、
有岡「イチャイチャ・・・」
そう言って、また目を閉じてしまった。
A「ねえ、今年、初詣に行った？」
目を閉じたまま「してない・・」って言ったので、「行こうよ」って誘ってみた。
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朝食をとり、スマホで神社を探してみたら、電車を乗り継げば行けそうな所があった。
ちょっと有名なところらしい。
電車に乗って最寄り駅に着き、地図を頼りに歩いて行くと、大きな赤い鳥居が目に入ってきて、その奥には、怖いくらいの石段が見えた。
A「うっ、これ登るんだよね」
有岡「よし、頑張ろう！」
そう言って、石段を二段登り、左手が差し出された。
大貴の手をつかむと、すぐ登り始めた。
ジムでバイクこいだり、エアロビしてるのに、やっぱり辛くなって。
でも、時々私の事を心配して、振り返ってくれる人から遅れたくなくて、黙々と無言でついて行った。
残り少しの所で
有岡「なあ、A。
こんなに登ってきてるんだから、すげー景色いいんじゃねえ。
頂上まで行ったら、一緒に振り向こうぜ。
だから、もう振り返らないよ」
A「うん・・・わかった・・・」
息が切れて、そう答えるのが精一杯だった。
そして、最後の一段を登り、
有岡「せーのっ！」
大貴の掛け声で、繋がれていた手が解かれ、振り返って見ると、仙台の中心部が見え、広ーい水色の空と、手前は緑が見えた。
有岡「すげー登ったな」
A「足が・・・やばい」
遠くまでぬけているその景色を、手を繋ぎ直して一緒に見た事。
仙台の思い出として、忘れないでいようって思ったよ。
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作者名：やまぱん
| 作成日時：2017年3月6日 21時
