第四十八章 ページ27
「え?あ、いや、もう少し一緒にいたいなぁって.....」
口にした言葉を聞いて自分で驚く
ん!?ちょっと待て私!!!何口走ってんの!?今何言っちゃった!?
ほら、左之さんも固まっちゃってんじゃん!!
あ゛ーーー!!!
困らせたぁ!!
「あ、ちが、そのっ、何でもない!!おやすみ!!」
私は恥ずかしくなり、慌てて自室へ行こうと一歩踏み出すが腕を掴まれてしまった
「....俺も、まだお前といたい。ちょっとばかし付き合っちゃくれねぇか?」
「っ、うん」
左之さんのふとした時の真剣な顔がかっこよくて、心臓が煩くなる
駄目だ、こんな気持ちになっちゃいけない
気づかないふりをしないと....
私達は屯所を抜け出して静まり返った夜の壬生寺へとやって来た
境内にある階段に二人して腰を下ろし、空を見上げる
肩と肩が触れ合うほどの近い距離
嫌でも意識してしまう
そんな気持ちを誤魔化すために口を開いた
「ごめんね左之さん。迷惑かけて」
「別に迷惑だなんて思ってねぇよ。言ったろ?俺もお前と一緒にいたいってよ」
いつものように笑みを浮かべながら言ってくれる左之さんは、ほんとに優しい人だと思う
「それと、次夜中に厠行く時は俺に声掛けろ。一緒に行ってやるから」
「でも左之さん寝てたら申し訳ないし...」
「いいから。約束だ、わかったな?」
「わかった。ありがと」
「俺がしてほしくて言ってんだ、礼なんざいらねぇよ」
左之さんの申し出は凄く嬉しくて、申し訳ない気持ちもあったが有り難く受け取ることにした
その優しさに頬が緩む
それから私達は少しの間、他愛もない会話をしてから屯所へと戻った
第四十八章
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(この時代のトイレは怖いから、いい歳こいても連れションするのは仕方ない)
(ったく。いつもいつも夜中の厠に着いて行く身にもなりやがれ)
(まさか、怖くて一人で厠に行けねぇなんてな。可愛すぎんだろ)
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ぷー(プロフ) - 神崎舞様。気付かず申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。早急に直させていただきます。また何か気付いた点などがございましたら、仰って頂けると嬉しいです。コメントありがとうございました。 (2017年8月18日 11時) (レス) id: 557e5927c8 (このIDを非表示/違反報告)
神崎舞(プロフ) - 名前変換されないで夕奈のままになってる話が何話かあるのですが? (2017年8月18日 9時) (レス) id: 348d6ee4b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月17日 11時