第二章 ページ8
「ふっ....あはははっ！！君、面白いね。怖くないの？」
「怖いですよ。でも、怯んだら負けた気がするので」
「怯んだら負けって...あはははっ、本当最高だね君は」
「総司。そいつを屯所へ連れて行く。副長に報告せねばならぬからな」
「えぇー？見られちゃったんだから、ここで殺しちゃおうよ一くん。屯所に連れて行ったところで何も変わらないじゃない」
「副長に指示を仰ぐべきだろう。俺達が勝手に下していい判断ではない」
「はいはい」
女と総司という男が会話をしていれば、一くんと呼ばれた男は今にも女を殺しそうな男に鋭い視線を送り
するとつまらなそうに返事をした男は刀を鞘に戻してから笑顔で、「逃げようとしたら、殺すよ？」と念を押して
今まで黙っていた長身の男は脱がした羽織を持ちながら、女に近づき口を開く
「悪りぃな。ちと一緒に屯所まで来てくれるか？逃げたりしなけりゃ悪いようにはしねぇからよ」
「....はい」
口調は優しいが有無を言わさぬもので、視線は鋭く女を見据えている
コクリと頷いた女を見て、仲間に視線を移し「んじゃ帰るか」と言って歩き出そうとすれば、背後から「痛っーー！」という声が聞こえ振り向けば、其処には笑顔で女の手首を思い切り掴んでいる男がいた
「おいおい総司。そりゃいくら何でも痛いだろうが。もう少し優しくしてやれよ」
「何言ってるの左之さん。これから殺す相手に優しくする必要ないでしょ？」
「あのなぁ、お前はもうちょっと女の扱いってのをだなぁ...」
「二人とも静かにしろ」
手首を思い切り捕まれ引っ張られながら歩く女の顔は、痛みを耐えている
そんなの御構い無しに歩く男に、左之さんと呼ばれた男は呆れた様子で言い、止まらなくなりそうな二人の会話を男が一刀両断した
(頭がこんがらがって、状況把握ができない.....)
女は混乱しながら、引っ張られるがままに新選組の屯所へと向かったーー
第二章
￣￣￣
(もしかして私死ぬのかな...)
(面白い子だなぁ)
(何かこいつの事が気になる)
(総司に刀を向けられて動じないとは)
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作者名：ぷー | 作成日時：2017年8月11日 20時
