第二章 ページ6
夜の町の路地裏に一つの眩い光が何処からともなく現れれば、その光の中から一人の女がなんの前触れもなく現れ
女が地面にドサッと横たわれば、光は消え辺りは暗闇に戻り
少しして女が目を覚まし起き上がれば、辺りを見渡してここが何処なのか知ろうとするも、周りには何もない
取り敢えず移動しようとその場から立ち上がった時、何処からか複数の足音が聞こえ
それらは段々とこちらに向かっているのがわかり、様子を見てみようと路地裏から顔を少し出した瞬間ーーーー
「「ヒャーッハハハハハハハ！！！！」」
「ーーーっ！！？？」
狂気を含んだ甲高い笑い声が響き目の前に白髪と赤い双眸が、暗闇に浮かび上がる
女は息を呑み、殺される、と思ったと同時に地面を蹴って全速力で走り出した
「ハァッ....ハァッ....！！！」
息を切らしながら走り続け刀を振るうには狭めの路地裏へと曲がる
(何で...！？あれは、間違いないーーー羅刹！！あの人は、違う世って言ってたけどまさか...ここは...！！)
頭の中で状況を整理しようとしているが、酸素が足りていない頭では上手く思考が回らず
今はただ、足を止めれば死ーーという事だけが明確なため女は必死に走り続ける
すると目の前に人影が現れたかと思えばーーー
「血ィ....血ガ欲シイ...寄コセーーー血ィィィィィ！！！！！」
刀と身体に夥しい返り血を浴びた羅刹だった
正気などもうどこにも残っていないその狂った化け物は、女に向かって刀を振り下ろす
「っーー！！！！」
咄嗟に避けたが、背には壁があり逃げ道が完全になくなってしまい
先程から追いかけて来ていた二人の羅刹にも囲まれた
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作者名：ぷー | 作成日時：2017年8月11日 20時
