第十五章 ページ50
腕を退けて天井を見つめる
これからどうなるのか、まだまだ分からない
山南さんの腕は怪我していなかったから、きっとこれからだろう
このままいけば原作通りに事が進むはず
ずっと部屋にいると外の状況がわからない
頭の中でグルグルと考えていると障子の向こうから声をかけられた
「夕奈ちゃん、開けてもいい?」
その声を聞きながら私は上半身を起こして座る
「千鶴?どうぞ」
スッと静かに開かれたその先には千鶴と総司、平助にはじめくんまで居た
何事かと思い首を傾げていると
「あの、平助くんが皆さん方と一緒にご飯食べないかって」
「......私もいいの?」
「いいから言ってるんだよ。早く行くよ夕奈ちゃん」
「えっ、ちょ!?」
お膳を持ちながらズカズカと部屋に入ってきた総司は座っている私の手首を有無を言わさず掴み、そのまま引きずるように歩いている
(山南さんの怪我を知るのはそろそろか....)
千鶴が一緒に食事を取るって事は、初めてなはず
このメンツだし平助お膳持ってるし
って事は、そういう事だよね
これから起こるであろう出来事を考えれば緊張が走る
私は大人しく総司に引っ張られながら廊下を歩いた
第十五章
 ̄ ̄ ̄ ̄
(くよくよしてる暇はない。これからが、本番)
(みんなは分からなくても僕は気づいた。少し目が潤んでいたことに)
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月11日 20時