第十五章 ページ49
あれから数日が経った
特に何もすることもなく、ただ時間がゆっくりと流れて行くだけ
つか、あれからもう気付けば半月くらい経ってるし
やれる事はないし、事情が事情なだけに警戒もされているためほぼ部屋に缶詰状態
厠に行く時だけ部屋を出る事を許されている
この時代のトイレ怖いんだよねぇ
夜なんて絶対一人で行けない
昼間でも怖いのに
あーあ、ほんとクソ暇だなぁ
暇過ぎて溶けちゃうかも
することも無いので畳の上にゴロンと仰向けに寝転がる
目を閉じれば思い出すのは前の暮らし
職場には仲の良い上司と同期と部下
家に帰れば可愛い愛犬と愛猫
そして大好きな人
その人との間に生まれた可愛い可愛い我が子
今どうしてるかな
どのくらい大きくなったのかな
成長ずっと傍で見たかったなぁ
お喋りしたり、一緒に買い物行くのが夢だったのに
あの人はちゃんと元気にしてるかな
無理して無いかな、ご飯食べてるかな
再婚、したのかな
やだなぁ、それは結構やだなぁ
私直ぐ嫉妬するし、そんな事になってたら発狂しちゃうかも
あ、でもあの子には母親の温もりが必要だからいた方がいいのか
だったら、私が死んで1、2年くらい経ってからがいいなぁ
その間は忘れないで覚えててほしいし、いやずっと覚えてて欲しいんだけどさ
会いたいな
もう一度会って、我が子を目一杯抱き締めて
ぎゅーって強く強くあの人に抱き締めてもらって
愛犬と愛猫もぎゅーって抱き締めて
ーーーあぁ、駄目だ泣きそう
泣かないって決めたんだから、泣くな私
考えるから駄目なんだ
でも、何もしてないと嫌でも考えちゃう
右腕を目の上に持って行きそのまま目を隠す
落ち着け、と自分に言い聞かせて大きく息を吸ってゆっくり吐く
何回か繰り返してれば少し落ち着いてきた
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作者名：ぷー | 作成日時：2017年8月11日 20時
