原田side ページ18
「ーーーー土方さん。俺は、あいつを生かしてやりてぇ」
「....そりゃどう言う意味だ、原田。そこまで言う理由はあんのか」
俺の言葉に土方さんの表情が険しくなる
平助や新八なんざ、物凄い驚いた顔でこっちを見て来やがった
「理由、か....。あいつが言ってることが嘘とは思えねぇ、かと言って全部信じたわけでもねぇ。ただ、全てを話していたあいつの態度や口調、目は紛れもなく本物だった。偽ってできるようなもんじゃねぇ」
俺は土方さんから目をそらす事なく思った事を口にした
「確かに、あいつの目は嘘は言ってるように見えなかった。だがな、てめぇの言い分であいつを生かしてやることなんざできねぇんだよ」
「けどよ、土方さん。あんたが最後にした質問に対しての答えは、本気だったぜ。ありゃあ相当の覚悟を持ってる」
土方さんは譲ろうとしない
そりゃこの人が言ってる事は良くわかってる
けど、此処で折れるわけにゃいかねぇんだ
「....原田の言う通り、最後の質問の答えには俺も正直言って驚いた。あの時にあいつが見逃してもらおうとか、少しでも俺たちに同情を誘う為とかそんな気持ちが見えてたなら、俺は迷わずあいつを殺してた。だが、あいつは本気の【覚悟】を持ってやがった。ありゃ死ぬかもしれねぇって奴の目じゃねぇ」
「だったらーー「けどな、俺たちにとって本当に危険じゃねぇかなんてわからねぇんだ。そんな奴を生かしておけるはずねぇだろ」ーーっ」
土方さんの言葉を聞いて俺は思わず前のめりになる
けど、土方さんはそんな俺の言葉を遮って圧をかけてくる
苦い薬を無理矢理飲まされたかのような顔をしている目の前の男
そんな顔をみりゃ、嫌でもわかる
最後の答えを聞いて、殺すか生かすか少なからず迷ってるって事が
そんな俺達のやりとりを見ていた山南さんが割って入って来た
そして、山南さんが発した言葉に俺は耳を疑った
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作者名：ぷー | 作成日時：2017年8月11日 20時
