第九章 ページ32
「なっ、土方さんいつの間に夕奈と仲良くなってんだよ！？」
「まさかあんたが監察対象の人間と仲良くなってるなんて、驚きだぜ...明日は槍が降るんじゃねぇか！？」
「別にこいつと仲良くなった覚えなんざねぇよ。今のはたまたま被っただけだ。それと、新八。てめぇは何失礼な事言ってやがる」
「...........(賑やかだ)」
「三人とも取り敢えず落ち着けって。夕奈が困ってんじゃねぇか」
左之さんがやれやれ、というように宥めるように三人に言葉を投げかければ、土方さんは大きく息を吐いてから私を見て
「おい、桐生。兎に角、てめぇのその格好は目立ち過ぎる。取り敢えず今は平助の着物を借りて着てろ。背はお前の方が少し高いが、問題ねぇだろ。平助、こいつに着物を貸してやれ」
「あぁ、わかった。って、土方さん背の事は余計だって！」
「確かに、女にしちゃあ背高いもんな夕奈は」
「あはははっ！平助とうとう女に負けたな！」
土方さんの背の話を聞いて平助が反論するも、残りの二人は楽しそうに弄り始め
そんな光景を見つめていたが、ふと重要な事を思い出す
私着物なんて着方わかんないじゃん！！
どうしよう、あ、千鶴に教えてもらおう！！
その為には許可取ったほうがいいよね？
馬鹿にされるのを覚悟に、私は意を決めて土方さんを見据え言った
「土方さん。私着物の着方がわからないので、千鶴に教えてもらいたいんですけどいいですか？」
「「「「........は？」」」」
いやいやいや、お前らそんなキョトンとした顔してそんな声でハモるなよ！！
「何ですか、着られないから馬鹿にしてんですか。私がいた時代では、特別な時にしか着物は着ないんです。だからわからないんです悪いですか」
四人の反応を見て私は思わずムッとしながら早口に言葉を発する
そんな私を見ていた平助と新八は耐えきれないとばかりに大笑いし始めた
「「あははははっ！！！」」
「おいそこ！！失礼すぎるだろ！！」
お腹を抱えて笑い出した二人を失礼だけど思い切り指をさしながら怒る
口が悪いのは元々なのでそんなの気にしない
イケメン達に女っぽくないと思われても別に気にしない...いや、嘘、少しだけ気にする
でも、そんな事は今はどうでもいい！
だって、この二人がムカつく！！
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作者名：ぷー | 作成日時：2017年8月11日 20時
