第五章 ページ13
全てを言い終えたとこで、辺りは静寂に包まれる
話している最中も、話し終えた後も私は目線を逸らさず切先を握る力も弱めず、位置も変えず、そのままの姿勢を崩さない
するとーーーー
「.....あっはははは!!!!!」
場に似合わない笑い声が響き渡る
「ーーーーーは?」
思わずその笑い声の主、総司に顔を向けとてつもなく怪訝な顔をする私
「ほんっと、最高だね、君!!あははっ!!!初対面であの土方さんに怒って、あんな行動とるなんて!」
「す、すげぇー...女なのに度胸あり過ぎだろ」
「泣く子も黙る新選組鬼副長に向かって、あんな長々とお説教食らわすとは思わなかったぜ!」
「確かに、大人しそうな顔してるのに大したもんだ。言葉遣いは女じゃなかったがな」
「...女子でもあんたのような奴もいるのだな」
「す、凄い...かっこいい...」
「驚いたな...トシにここまで言う女子がいたとは」
「トシさんにこんなにも堂々と言える人はそういないからね」
「土方くん。確かにこの方の言う通り、我々に全く非がないわけではありません。寧ろ全ての責任は脱走させてしまった私にあります。彼女の話を聞いてあげましょう」
「........確かに、こいつの言う事は間違っちゃいねぇな。いいか、てめぇの話を聞いてやる。洗いざらい話してみろ」
総司、平助、新八、左之さん、はじめくん、千鶴、近藤さん、源さん、山南さん、そして土方さん
其々が私がした行動に対しての感想を述べている
やってしまった...と後悔するも過ぎたことは仕方ないと思うようにして
土方さんも話を聞くことをしてくれるようで良かったと思えば、刀から手を離し切れた部分を見つめる
今更になって掌も喉も、ズキズキと痛み出す
先程まで感じていなかった痛みが急に出始めて、怒りってすごいなと呑気なことを思っていると見つめていた掌に影ができ、隣を見るとそこには焦った千鶴がいた
「傷、見せてください!今は応急処置しておきます!」
「すみません。ありがとうございます」
心配しているであろう千鶴を見て申し訳なさが強くなり、小さく苦笑しながら謝罪とお礼を言い手当をお願いして
手当てが終わるまでみんな待っていてくれる辺りは優しいなと思いつつ、応急処置が終わった掌と首には包帯が巻かれ
終わったと同時にもう一度千鶴にお礼を述べてから土方さんを真っ直ぐ見据え、私の話をしようと口を開いた
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作者名:ぷー | 作成日時:2017年8月11日 20時