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ただ転んで受け止めてもらっただけなのに。
ふっかの迷惑になるのも嫌だし、どうか誰も見ませんように、と、心の中で小さく祈る他なかった。
「別に、Aを困らせたいわけじゃない。」
「分かってるよ？」
「…ちょっと、ヤキモチ妬いた。」
「まぁ、だろうね？」
「だから別に、Aに怒ってるわけじゃない。」
「知ってるよ？」
「………お前、物分り良すぎだろ。」
「ふっかを知りすぎてるだけだよ。」
何を今更言ってるんだか。
ふっかが案外ヤキモチ焼きという事はもうさっくんや他の周りから言われ過ぎていて。
だから注意してみてみれば分からなくもないくらいの態度でそれを教えてくれる。
それに、ふっかのその怒った態度も、半分は本気じゃないということも最近よく分かった。
.......だけの話なんだけどな。
「そゆことサラッと言えるから.......」
「はい？」
「んーん。こっちの話。」
何となく気にはなったけど、ふっかが幸せそうに笑うからきっと悪いことでは無いと思うことにした。
「…帰ろ。」
「うん。」
何かに満足したらしいふっかは、私から離れてカバンを取りに行く。
私も自分のカバンを持ってその後ろについて行こうとしたら、途端に手を繋がれた。
じんわりと伝わるその温かさに、私は弾かれるように顔を上げた。
「そんなに見んなよ。」
「嬉しくて。」
「手くらい、いつでも繋ぎたいし繋ぐわ。」
なんて、学校にいる時のふっかからは考えられないほどの甘いセリフに私は目が飛び出そうなくらい驚いていた。
「無理してない？」
「してな.......ちょっとしてる。」
少し見栄を張ろうとしたのか、でもすぐに観念して本音を言うところがふっからしくて、思わず笑ってしまう。
「いつものふっかでいいんだよ？」
「…お前ほんと俺の事どんだけ甘やかすんだよ。」
いやむしろそうじゃないと不気味だし。
なんて言ったらこの雰囲気をぶち壊しかねないのでとりあえず言わないでおく。
流石に下駄箱では外すかと思ったその手は案外繋いだままで。
よく聞く少女漫画や恋愛映画とかで見る時のトキメキポイントが高い場面ではあることは重々承知した上で私は、「ごめん流石に靴出しにくいから離して。」なんて言ったら、今度はふっかが笑い始めた。
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函娘(プロフ) - ずっきーに様、ありがとうございます！！上手くキュンとして貰えたのがもう嬉しいです！！ (10月3日 5時) (
レス) id: f828428891 (このIDを非表示/違反報告)
ずっきーに(プロフ) - はじめまして！今日一気見させていただきキュンとドキドキで面白かったです。更新楽しみにしてます。 (10月2日 23時) (レス) id: 386b7f6774 (このIDを非表示/違反報告)
函娘(プロフ) - よちよち様、ありがとうございます！マイペース更新なのでどかっと更新したり一日あけたりしてますが、最後までお付き合いいただければと思います( '∀︎' ) (10月2日 17時) (レス) id: f828428891 (このIDを非表示/違反報告)
よちよち(プロフ) - 初めてコメントします。物語を読んではまりました。続き楽しみです。 (10月2日 11時) (レス) @page1 id: 4e991b48a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：函娘 | 作成日時：2023年10月2日 10時
