五話 ページ5
そして、次の日の夜。
実は、昨日あの廃墟から出るときに
『明日の夜10時にまたここで』
と、約束していたのである。
だから今から廃墟に向かおうと思う。気は進まないが…。
今日は何をされるのか。不覚にも気になってしまいソワソワしていると、あっという間に廃墟に着いてしまった。
…到着…してしまった…。
今すぐにでも帰りたい。が、帰ると確実に殺されるだろう。
「A」
どうやら建物の入り口付近で待っていてくれたようだ。
「あ、あぁ、フェイタン……」
昨日と同じ彼の姿。今日のオーラは昨日より明るい色をしているように見える。
いつもの彼だ。
「そ、そういえばフェイタンって趣味とかって、あるの?」
嫌でも昨日の事を思い出すと、つい気まずくなるから、ふと疑問に思った事をとりあえず質問してみる。
「…拷問と人殺し」
人形とか言ってる時点で察してはいたけど…拷問……。人それぞれだ……多分。
今更だが、私はとんでもないサイコパスの玩具になってしまったようだ。
「あの、一つ、いい……?」
「あぁ、別に構わないね」
「フェイタンが人を虐めたりするのが好きなのは分かった…けど、」
「けど?」
「なんで、私?」
フェイタンは一瞬驚いたような顔をして、そしてクスリと、初めて彼の笑った顔を見た。しばらくして彼は言った。
「それは…A、だからね」
「……私だから?」
浮かび上がる疑問を、頭いっぱいに埋め尽くし、私は彼を凝視する。
「…ま、そうね」
「何が?」
「………、好きて事よ」
「は?……ええ?」
何?好きだ?
だとしたら……、私は彼の好きな女ってことだ。
…だったら、矛盾してない?
「好きなのに……、好きなのに大切にしようとか思わないの?」
私は、疑問だったことを軽率に言った。
言ってしまった。
しばらくすると、フェイタンは静かに力なく呟いた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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め(プロフ) - 今読み返すとエンド1の終わり方が甘いッ!!甘すぎる!! 普通に考えてヤンデレとしては、 おまけが本編。 (2018年10月14日 23時) (レス) id: 2fcdd3b74f (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 頑張ってください!!^^*応援しています! (2017年10月31日 22時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
雨宮ヒメ(プロフ) - ありがとうございます!本当に励みになります!更新頑張りますね! (2017年10月31日 21時) (レス) id: 2fcdd3b74f (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 読んでてキュンキュンしましたよ!続き楽しみにしてます!^^* (2017年10月30日 17時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:め | 作成日時:2017年10月2日 16時