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そこに居たのは、あのとき鬼を斬った男性を小さくしたような男の子。
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すぐに、さっき教えて貰った二人の息子のお兄ちゃんの方で私と同い年の子だとわかった。
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「ご、ごめんなさい。……母と父を思い出したの」
「謝る必要はない! 君は両親をなくしてまだ混乱しているだろうから優しくするようにと母上に言われている!」
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しっかりしてる子だなと思った。
私もよくしっかりしていると言われていたけれどそんな私が思ってしまうほどに。
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「あの、……どうしてここに?」
「今日は月が綺麗だったからみせようと思ってきた!あ、母上には内緒だぞ」
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失礼する、そう言ってずかずかと部屋に入ってくるその子。
そして、戸惑う私の手を取った。
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その子に連られて外に出ると、…そこには
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綺麗な満月がひとつ、空に浮かんでた。
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「うわあ」
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目を輝かして月を見上げる私をみてその子はにこりと元気に笑った。
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「俺は煉獄杏寿郎!よろしく頼む!」
「私は…A。煉獄A。よろしく」
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これが、私と杏寿郎の出会いだった。
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作者名:真陽 | 作成日時:2019年4月19日 20時