〇 拾参 ページ13
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(…ここは、変わってないな)
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杏寿郎と一緒に寝る事件から数日経った朝。
私は、蝶屋敷に来ていた。
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ここは、私も隊士時代すごくお世話になった場所だ。
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懐かしみつつ歩いていると、騒いでる声が聞こえてきた。
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驚きつつ声が聞こえてくる館の扉を開けると目に飛び込んできたのは嬉々とした表情でアオイと対決している金髪の男の子。
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｢…これは一体？｣
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ぽつりと呟くと、入ってきた私の隣にたっていた少年がうわ、と小さな声を上げた。
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｢ああ、ごめんなさい。しのぶに会いにきたのだけど…声が聞こえてきたものだから入ってきちゃって｣
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いえ、大丈夫です。
としっかり答える赤毛交じりの少年。
うん、しっかりしててなかなかいい子そうだ。
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｢Aさん｣
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すると、控えめな女の子の声が反対から聞こえた。
振り返ると、前見たときより少し大きくなったカナヲがいた。
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｢カナヲ！久しぶりね、少し大きくなったんじゃない？｣
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そういうと、カナヲは軽く頷く。
…相変わらずあまり声を発さないけれどカナエさんやしのぶににて綺麗な子になってきた。
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胡蝶家に保護された。
…少しだけ私に似たような境遇だってこともあって、私にとっても妹のような存在のカナヲ。
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最近はあまり会えてなかったけれど、隊服を着てるということは無事に隊士になれたんだろう。
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作者名：真陽 | 作成日時：2019年4月19日 20時
