問 ページ35
家に帰るとあの大惨事のままだった。
皆は怒鳴りながら整理していたがなんだかんだ楽しそうだった。…いやめんどくさそうだったかも。
ﾁﾘﾝと風鈴のなる音がする。
「なんで風鈴飾ってんだよw誰だやったやつ」
「季節外れすぎん？w」
風鈴は彼らの起こす風や衝撃によって動き回る。
「なんかこの風鈴Aみたいだね。」
『え？』
「外の風じゃなくて俺らで揺れてるとこ」
「そこだけかよ」
「w」
『風鈴の模様はみんなみたいだなって思うけど。』
「え？」
『ほら、混ざってないけど色とりどりだから、個性のぶつかってるみんなみたいだなぁって。』
「Aらしいこと言うじゃん。」
『なんだよ俺らしいってw』
"貴方の変えた運命を戻すのか私たちの役目です。"
戻すって、なに。この幸せはなかったことになるの？
「A？」
『えなに？』
「そろそろ寝ようぜ、ほら部屋まで送ってくから。」
『…うん』
部屋についても1人にはなりたくなくてぐちつぼをよびとめる。
『ねぇぐちつぼ。一緒に寝てくれない？』
「…………なんかあった？」
ぐちつぼは部屋の中の椅子に腰掛けながらそう言った。
『…俺と出会って良かった？』
「…良かったと思うよ、俺は。アイツらもそうだと思うけど。」
『…もしもの話なんだけど
俺が近いうちに死ぬとする。
それは俺がこのままここにいたら避けられないことだったとして、インターネットから別世界に行けば避けられることだとする。
俺は、みんなといたい。もちろん違う性格のみんなは居るかもしれないけど、それは本当にみんなと言えるのかな。』
「それは、………。」
『困らせてごめん。…俺、頭冷やすね。おやすみ。』
「…おやすみ。」
優しい、その声を合図に意識は途絶えた。
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