僕の生きる道 ページ22
「Aがどんな生活をしてきたのか俺らには分からないけど、この機械は精神を安定させるやつ？で、あの機械はこれの補助で、、こっちは……」
真剣に話す彼も真剣に聞いてくれる彼らももう僕を見捨てるなんて絶対ないと言わんばかりの自信があった。
「少なくともAは人間の中で人間として生きてなかった。…生まれた家が悪かった、それだけなのに。」
いつの間にか話は僕の暮らしになっていた。
「…、そんなの、っ!!……A、どうやって生きてきたの。あんな奴らにそんな生き方を強要されて…」
『どうやってってどういうこと？』
「それは………」
「あいつらなんて死ねばいいだろ！もっとはやく逃げてくれば…」
「ちょ、落ち着けって」
「そんなん言ってられないだろ!!」
……うるさい。もう済んだことなのに、そんなに怒ってなんなの。………あぁでももしあの人達が生きていたなら殺して貰えたのかな。僕の信頼するこの人達に。
「A!!あいつらの場所教えろ!!」
『………居ないよ、もう。』
そう言って部屋を飛び出した。
僕のために怒ってくれるそんな優しい人たちが居るのに、あの人たちはもう居ない。
『僕の分まであの人達が苦しめば良かったのに。』
「…そうだね。」
『なんで居るの。げんぴょん。』
「Aより速いから。」
『皆最初は人間を恐れていたのに、僕を見てくれた。だからかな、こんな簡単に皆を受け入れて、あの人達のおかしさがよりわかって、それに耐えてた僕が馬鹿らしい。
僕、あの人達が苦しまなかったのが嫌で仕方ない。人間なのに人間が憎い。苦しい。
あの機械がなければ死ねたとか
あの人達がいなければ良かったとか
もうないものねだりばっかで、なのに
なのに、これがなかったら皆と出会ってないの。
……やだなぁ。』
「Aが人間で俺は嬉しいけどね？多分あいつらもそうだと思うよ。てかあの階段の影の量見てみ？w隠れて聞く必要ないのにねww」
「なんでばらすんだよ」
「いやw影ありすぎてwww」
『…ふふw』
私に機械は必要ない。
もういらない…けど。
「会いにいきたい？…いいんじゃない？俺別にいいと思う。」
「どっか行くの？なら俺も行くー!!」
「……まぁ一緒に行くなら。」
『…ありがとう。』
この機械を作ってくれた、人間の元へ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 22人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
