【実況者】俺が住み着いた場所はナニカの住処 (ページ19)

今日:11 hit、昨日:2 hit、合計:4,883 hit

おどしものページ19

『焼きパン』

「うわぁっ?!…ごめん何？」

『ww』

「あA、またそういうことする！」

皆と焼きパンで遊ぶ計画を立てたり、食事をとったり、とにかく早かった。夕飯…皆で早食い競走をした時だった。

「よっしゃ、俺の勝ち!!」
『えぇ〜ずるいよ。』

そんな会話をしていたら唐突に食堂が静まった。

『え？』

ふと振り返ってみても無人の食堂に1人佇んでいた。

大丈夫、この間と同じように夢だ。
夢だから、このままじっとしていれば起きるはず。
寝坊助だから時間かかるかもなぁ。

みんな？

声にならない心の声が自分が恐怖していることを物語る。その場にいることが出来なくなって、食堂を飛び出した。

『だれか…だれか!!………誰か居ませんか?!…ねぇ!!』

気づけば敬語も付いていて、でもそんなことを気にする暇はなかった。…うっすら人影が見えて追いかける。

『まっ、て!!くださ、、ぃ』

必死に手を伸ばせばそれは何か布を掴んだ。勢いよく引っ張ればそれはこちらを向いた。

「お前に逃げ場は無い」

記憶にないのに恐れてしまう姿はそう言って消えた。今のはどんな声をしてた？瞬時に抜けてしまった声と残り続ける言葉。

瞬く間に元の場所に戻ってきていた。恐怖が拭いきれないままおぼつかない視界で現状を把握する。全体的に黄色づいた食堂に突っ伏していた僕。

『……はぁっ、……っうぅ……ぁ、、みんな!!』

食堂の入口で背を向けていた彼らはこちらに振り向かない。

『嘘、…やだ、いかないで。』

かねごんが扉を開き、その、扉の奥へ皆が歩いていき、最後に出ていくかねごんがこちらを睨み、出ていった。

『なんで？』

絶望にくれた時、さっきの言葉を思い出す。

"逃げ場は無い"

でも本当にそう、なのかな。
彼らと過ごすことは出来ないのかな。

頬を伝う涙の落ちた場所が見えないほど暗い闇の中で僕は答えが縛り付けてある謎をずっと抱えていた。

目を開く、そこに夕焼けのような黄色い光はなかった。代わりといわんばかりに黄色く淡い光のキーホルダーがそこには落ちていた…これはかねごんの？

あれ？

この光さっきの夕焼けみたい……。
というよりもこの食堂のカーテン閉まってる。

そんな思考回路が働いて結論まで思いついた時、もう動き始めていた。

もし夕焼けではなくてこれだったら。みんながこういうものをもっていたなら。

本当に嫌われていたとしても、理由くらいは聞かせて。