悪意が1つ ページ13
あれから数日…
サボテン……ぐちつぼさんと過ごす日々はなんだかんだあたたかった。
僕と会話している時と他の方と会話している時の対応が変わらない、、そんなことが本当に嬉しかった。
他の方はそれぞれ距離のとり方ができたようだった。悪意をもっていたり無関心だったりといった感情ばかり読み取れてしまって自分に少し呆れてみる。
1番謎だったのはかねごん？さんで僕に話しかけてきたりするのに無関心な感じがするという現状。
いつも通り何故か用意されてる僕の食事を食べ始める。
「あれぇ？今日はぐちさん居ないんだぁ、w」
そう煽ってきたのはたらこさん。でもイラつくことはない。何故ならたった数日間で分かるほどたらこさんは皆のことを大事にしているから。
わざと場を掻き乱して、それでリセットさせる。何故か僕に執着しているぐちつぼさん。彼を何度も取り戻そうとして苦しんでいるのを僕は知っている。
邪魔は消してでも欲しいものを手に入れると言わんばかりに真っ直ぐなたらこさん。そんなたらこさんの望みに僕ができることは何も無かった。
否、思いついても実行する勇気がなかった。
ぐちつぼさんは執着してくる理由を知らずともその執着が消えることに恐怖を抱いていた。
普段はすぐに終わる。
「ねぇー？聞こえてるー？」
でも、今日は違った。
「いつまで無視してるんー？」
「いい加減にしろよ」
殴られた拍子に茶碗が手から落ち、米がこぼれ落ちた。
それだけではなく怒りが大きくなっているのと感じ、一切動けなくなった。逃げればころされてしまう。
何度か殴ってからたらこさんは言った。
なんで
「逃げればええやん…なんで、、逃げんの。」
『…にげてもいいの？』
「え？」
『逃げてもいいんですか？』
気づけば声を上げていた。
そう言ってしまってからそんな訳がない、なんでこんなこと言ってしまったんだろうと一瞬で後悔する。嘘です、の一言も声にならない。
無言の空間ができそうになったがたらこさんがそれをすぐに破った。
「……わかった、、わかったよもう。俺の負け。」
なんの理解も追いついてない僕を置いて、僕を殴ったところになにかを塗ったり、貼ったりした。
終始無言だったけれどたらこさんから悪意を感じることはなかった。
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