キミじゃなきゃヤダ（inar）

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伊野尾side

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伊野尾 慧、23歳。




建設会社で働いている、

新人サラリーマンってやつだ。









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慣れない仕事にも奮闘しながら毎日頑張っている。







今夜も、駅から家までの帰り道をのんびり歩いていた。





すると、



ポツ 、ポツ


と雨が降り出した。





伊「 まじかよ ... 」





今日傘持ってきてないよ...


天気予報の嘘つき！




と思いながら小走りで帰る。







それに、雨は次第に強くなってく。







伊「 ハア、ハァ、」






そのとき、





伊「 ぅわ！ 」





思い切り見知らぬ人に衝突してしまった。





伊「 ごめんなさい！大丈夫ですか？ 」







バッと顔を上げると、無表情で、雨に打たれながらこっちを見ている人がいた。


俺と同い年ぐらいかな？





その黒目がちな瞳は輝きを失っていて、


なぜだろう、




俺が助けなきゃ、そう思ったんだ。







有「 大丈夫です 」





そう言って、俺の横を通り過ぎようとした彼に

すかさず声をかける。





伊「 あの！君、帰る家ある ..？ 」







は！俺なにやってるんだ、

その聞き方は失礼だろ！






伊「 ぁ、その、ごめ..




有「 ないですよ 」







慌てた俺の言葉を遮って、たしかにそう言ったんだ。






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