31話 ページ32
『そっかぁ……』
スリスリと猫のようにカカシに甘える終夜は照れくさそうに笑った。
そんな終夜をカカシは優しく撫でて、軽々と横抱きした。
『っうわぁ』
突然終夜を襲った浮遊感に声が漏れる。そのまま軽やかに走るカカシは終夜に告げる。
「ま、とりあえず病院に戻んないとね。お前が逃げたことで大騒ぎになってるから」
『んー……怒られるのやだなぁ』
そう言いながらも楽しそうに笑っている終夜に、今度はカカシが安心する。
正直なところ、他人から見て分かるように動揺していたのはナルトだったが、内心最も動揺していたのはカカシだった。
ずっと上の空であったり、愛読書のイチャイチャパラダイスを逆さまに読んだり、とにかく終夜が目覚めないことに恐怖を抱いていた。
「……オレは、お前がいないとまともに生きていけないよ」
無意識にカカシが口にすると、珍しく驚いた表情をした終夜は一瞬間を置いて挑戦的に笑う。
『それは、ずっと俺と一緒に居てくれって意味で捉えていいのかなぁ』
んふふっと試すような、それでいて照れているような笑いを漏らす終夜に、カカシの顔が赤く染まる。
カカシが答えを探しているうちに、終夜はカカシの首元に抱きつき小さく呟いた。
『俺はさ、この先もずっと一緒にいるのはカカシがいいよ』
腕に少し力が加わり、さらに小さな声で終夜は言う。
『俺じゃダメ？』
抱きついている終夜の顔はカカシから見えることがなかったが、微かに震えている声から誘惑されているのではなく、本心を伝えられているのだと理解する。
「ダメじゃないよ」
カカシがそう言うと、終夜の顔が上がりカカシの視線を捉えた。
カカシが自分の口元を覆っている布越しに、終夜の額に口づけをする。
幸せそうに笑った終夜は、布越しのカカシの唇に、お返しだと言い口づけをした。
誰にも見られない屋根の上を走りながら、終夜はこれ以上にない幸せを感じていた。
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くろ(プロフ) - 一応、題名だけ載せさせていただきます！「【NARUTO】【男主】軽薄な忍─続─」です。18歳以上でしたら、見てくださると嬉しいです！ (2017年6月4日 16時) (
レス) id: 9ac8b3a805 (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - なぁゆさん» 初めまして！ コメントありがとうございます！ この小説の続きはあるのですが、内容的にフラグがたっていますので、自力で探していただく形になっております。申し訳ありません。 (2017年6月4日 16時) (レス) id: 9ac8b3a805 (このIDを非表示/違反報告)
なぁゆ - 初めまして！とても面白い小説でした！！楽しく読ませてもらいました^^* 続きとかないんですかね？主人公とカカシのその後の展開がみたいです。 (2017年6月4日 14時) (レス) id: 02b0c2b0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろ | 作成日時：2017年5月20日 21時
