29話 ページ30
達成感を持ちながら振り返ると、およそ2年ぶりに見るカカシが立っていた。
『カカシ……!』
昔ならヘラリと笑って近くのだが、今の終夜はヘラリと笑いその場から動かない。
終夜を見つめる片目は鋭く、冷たかった。
『どうしたのさ? 顔、怖いよー』
そう言って笑う終夜にカカシはツカツカと歩み寄る。2年ぶりに見るカカシは、少し体つきも逞しくなり、ほとんど成長していない自分とは比べ物にならなかった。
終夜が成長したのは、おそらく床入りに関する知識くらいだろう。
『もしかして、心配してくれた?』
『嬉しいなぁ』と微笑む。そんな終夜の言葉を無視して、カカシは終夜を抱きしめた。
「なんで何も言わなかった」
責めるような口調に、終夜は困ったように笑う。終夜はされるがままに体を預け、カカシの肩に顎を乗せながら考える。
“俺さ、色任務でいろんな人と床入りしちゃったんだ” なんて言えるはずがない。
純粋に、自分と同じ境遇のカカシに親近感を抱き、辛い筈なのに表に出さないカカシに憧れを抱いていた。
そんな彼に自分の汚いところなんて、言えるはずがなかったのだ。
だから終夜は笑って誤魔化す。
しかし、それで引き下がるほどカカシは優しくなかった。
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くろ(プロフ) - 一応、題名だけ載せさせていただきます!「【NARUTO】【男主】軽薄な忍─続─」です。18歳以上でしたら、見てくださると嬉しいです! (2017年6月4日 16時) (レス) id: 9ac8b3a805 (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - なぁゆさん» 初めまして! コメントありがとうございます! この小説の続きはあるのですが、内容的にフラグがたっていますので、自力で探していただく形になっております。申し訳ありません。 (2017年6月4日 16時) (レス) id: 9ac8b3a805 (このIDを非表示/違反報告)
なぁゆ - 初めまして!とても面白い小説でした!!楽しく読ませてもらいました^^* 続きとかないんですかね?主人公とカカシのその後の展開がみたいです。 (2017年6月4日 14時) (レス) id: 02b0c2b0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろ | 作成日時:2017年5月20日 21時