24話 ページ25
終夜が抱きしめていたカナメはどんどん冷たくなっていく。
当時のことを思い出し、終夜は微かに震えだした。
カナメが幻だったかのように消えてしまうと、終夜は力なくへたり込む。目の前には当時の映像が流れ出す。血を流して倒れこむカナメと泣き崩れる小さな終夜がいた。
吹き抜ける風も、肌に刺さる冷たさも幻術とは言いがたいほどである。
「カナメ！ カナメ！？」
倒れこむカナメを必死で揺さぶる。既に地面には血だまりが出来ていた。
ここは木の葉の隠れ里の中。カナメを襲った敵は木の葉の忍だった。終夜を見下ろしていた忍は、興味を無くしたように踵を返し去っていく。
怖くて動けない終夜はカナメを抱きしめたまま、震えるだけであった。
カナメは虚ろな瞳で終夜を見つめている。白銀色に輝く瞳は光が消えてしまいそうだ。
「にいちゃ……泣かないで？」
苦しそうに微笑むカナメを見て終夜は唇を噛む。弟に慰められるなんて兄失格だ。そんな考えが終夜の涙を止める。
瞳いっぱいに涙を溜める終夜の目は、まだ両目とも同じ色だった。
「僕、ずっとにいちゃんと同じ景色……見たかった……」
「だから……せめて……」と紡ぐカナメは、残りの力を振り絞ってチャクラを練っている。
神童と呼ばれたカナメは、幼いながらにしてチャクラを操り、中忍として活躍していた。先天性的に持ち合わせた夢幻眼も神童と呼ばれる原因であった。
たどたどしい手つきで自分の目にあてる。そして、終夜の左目と入れ替えた。チャクラを使っているので痛みはほとんど感じないはずである。
「同じ景色を……」
くたりと力なく腕が落ち、それきりカナメは動かなかった。
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くろ(プロフ) - 一応、題名だけ載せさせていただきます！「【NARUTO】【男主】軽薄な忍─続─」です。18歳以上でしたら、見てくださると嬉しいです！ (2017年6月4日 16時) (
レス) id: 9ac8b3a805 (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - なぁゆさん» 初めまして！ コメントありがとうございます！ この小説の続きはあるのですが、内容的にフラグがたっていますので、自力で探していただく形になっております。申し訳ありません。 (2017年6月4日 16時) (レス) id: 9ac8b3a805 (このIDを非表示/違反報告)
なぁゆ - 初めまして！とても面白い小説でした！！楽しく読ませてもらいました^^* 続きとかないんですかね？主人公とカカシのその後の展開がみたいです。 (2017年6月4日 14時) (レス) id: 02b0c2b0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くろ | 作成日時：2017年5月20日 21時
