13話 ページ14
「もしかして、それ、使っちゃった感じ?」
終夜の左目を指して言うカカシに終夜は笑った。
『まぁ、少しね』
「何人?」
終夜は口籠もりつつ、人数を伝える。この会話に一体何の意味があるのか。分かっているのは2人だけである。
『7、か8くらい?』
溜息をついたカカシは荒っぽく終夜を担ぐ。
「まぁた、無茶したわけか」
終夜の左目は見た通り、特殊なものだった。
基本的に終夜の左目が何なのかを知っている人は少ない。
終夜の左目は「夢幻眼」といい、幻術と同じで他人に幻を見せるものである。しかし、普通の幻術と違い、術者が意識した幻ではなく、対象者が心の底から望んでいる欲望、理想を魅せてしまうものであった。
他人からの解術は不可能。自分自身で偽りで創られた理想を砕かない限り、一生夢の中なのだ。
これ程の能力にはもちろん欠点がある。幻術の対象者の人数に応じて左目が見えなくなる時間が伸びる、というものだった。もちろん、使い続ければ痛みだって現れる。
だいたい1人につき1時間、左目が使えなくなる。先程幻術にかけたのは7、8人。7時間から8時間程、左目は暗闇を写し続けることになるだろう。
そして、カカシのように普段から片目しか使っていないならば特に苦ではないが、普段から両目で世界を見ている終夜には片目の時間は苦痛でしかなかった。
『カカシー。ありがとねー』
間の抜けた礼にカカシは再び溜息をついた。
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くろ(プロフ) - 一応、題名だけ載せさせていただきます!「【NARUTO】【男主】軽薄な忍─続─」です。18歳以上でしたら、見てくださると嬉しいです! (2017年6月4日 16時) (レス) id: 9ac8b3a805 (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - なぁゆさん» 初めまして! コメントありがとうございます! この小説の続きはあるのですが、内容的にフラグがたっていますので、自力で探していただく形になっております。申し訳ありません。 (2017年6月4日 16時) (レス) id: 9ac8b3a805 (このIDを非表示/違反報告)
なぁゆ - 初めまして!とても面白い小説でした!!楽しく読ませてもらいました^^* 続きとかないんですかね?主人公とカカシのその後の展開がみたいです。 (2017年6月4日 14時) (レス) id: 02b0c2b0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くろ | 作成日時:2017年5月20日 21時