episode.3 ページ4
数学の問題を解きながら、白布賢二郎はボンヤリと前の席に座る同級生のことを考えた。
初めて見た時は「すげぇ綺麗な奴いるな」と、見た目だけなら文句なしの美少女がクラスメイトで、テンションも上がった白布だったが、彼女と接するうちに段々とその幻想も冷めてきた。
──本当に見た目だけなら文句なしの美少女である。
少なくとも、何も知らない他クラスや他学年の男子から月に2、3回告られる程度には美少女だ。同じクラスの男子は……まあ、大方白布と同じ心境だろう。
長い睫毛に縁取られたアーモンド型の大きな鶯色の瞳。透けるように白い肌。すっと通った鼻筋に、血色の良い頬。瞳と同色の髪は少しくせっ毛で、後ろで1束にされている。
正直言ってそこら辺のアイドルよりもずっと可愛いと思う。見た目だけなら。
才色兼備でもある彼女の唯一の難点といえば、確実に性格である。難しかない性格。白布は今でも忘れられない。
1年前。彼女に嫉妬した女子が校舎裏で彼女を囲むという“どこの乙女ゲームのテンプレですか”と言わんばかりの状況を偶然見かけたとき。当時まだ彼女の本質を何も知らなかった白布は彼女が発した言葉に度肝を抜かれた。
『え、ブスが何言ってんの？顔だけじゃなくて性格もブスなの？その上、頭悪そうな言動するし。ブスでバカって救いようがないね。可哀想に』
いったい彼女が何を言われたのかは知らないが(まあ状況が状況なので、酷いことを言われたのだとは思う)、まさか彼女からこんな言葉が出てくるとは思わなかった。
何が怖いかって、彼女の声は決して女子たちを嘲っているわけではなかった。──本当に可哀想だと言わんばかりの声だった。
あの発言は彼女にとって、心の底から、決して悪意なく、端的事実を述べるだけのものだったのだ。
その後、彼女から吐かれた“事実”の数々を白布は聞いたが、ここでの明言は避けておく。
ただ、“むしろ彼女を取り囲んでいた女どもが可哀想に思えてくる”状況だったことは明言しておこう。
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怜 - ア、あの好きでs(((( (2021年9月19日 13時) (
レス) id: d227187818 (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくしぇいく(プロフ) - 大好きで、何回も読んだお話を毎日読み返しています！ほんっとうに大好きです！更新頑張ってください！ (2021年1月7日 17時) (レス) id: 5070d107b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルイボスティー - 最高です！！好みにジャストミートでまじやばいっす (2021年1月6日 16時) (レス) id: adf56d1812 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - めっちゃ面白くて更新されてないかな？って何回も通知見ちゃいます！笑更新頑張ってください！ (2021年1月3日 21時) (レス) id: 956d20ea8d (このIDを非表示/違反報告)
せつな(プロフ) - 面白くて更新を楽しみに待たせていただいております。更新頑張ってください！ (2021年1月3日 18時) (レス) id: 85ed5b09d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉月 | 作成日時：2020年12月30日 23時
