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episode.16 ページ18

やっぱり、男バレのマネージャーは断るようにした。兄が迎えに来てくれた日、母は随分と私の帰りを心配していた。私が遅くまで外にいることを渋るような気配があったし、あまり母を困らせるのも本望ではない。

それを言えば牛島先輩は「ならば、試合には来て欲しい」と返した。理由を問えば「お前は目の付け所が良い。今の白鳥沢に足りない所を指摘して欲しい」と真っ直ぐな瞳でそう言われた。“絶対王者”と言われてる白鳥沢だけど、トップで胡座をかいてるわけではないらしい。むしろ、より高みを目指していた。


二つ返事で了承した。もちろん都合が合えば、だけど。


そんなこんなで、私は日が暮れる前に駅から家までの道を歩いていた。少し前だと、この時間は日が沈みかけてオレンジ色だったけど、もうそんなことは無い。

夏が近づいてる。


「あ、Aさん。ちわっす」


ぼんやりと歩いてたら、後ろから声をかけられた。振り返るとそこには中学の後輩がいた。


「飛雄ちゃん」
「…その呼び方やめてくれないスか」
「んー、無理かな」


学ラン姿の後輩──飛雄ちゃんは眉根を寄せたまま、少しため息をついた。人の顔見てため息とは失敬な。


「あ、言うの忘れてたけど、高校入学おめでとう」
「あざっす。Aさんのおかげです」
「頑張ったのは飛雄ちゃんだから」
「いや、Aさんが勉強見てくれなかったら、俺烏野も行けなかった気がするんで」


「マジでありがとうございました」と頭を下げる飛雄ちゃん───去年の11月頃から私は彼の家庭教師的なものをしてたのだ。ほら、飛雄ちゃんバレー以外はポンコツだから………。

兄関連で知り合った後輩だが、私によく懐いてくれてたし、私も結構可愛がってた。可愛い後輩の高校進学が不安に思えてきたので、彼の勉強を手伝ったのだった。

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- ア、あの好きでs(((( (2021年9月19日 13時) (レス) id: d227187818 (このIDを非表示/違反報告)
苺みるくしぇいく(プロフ) - 大好きで、何回も読んだお話を毎日読み返しています!ほんっとうに大好きです!更新頑張ってください! (2021年1月7日 17時) (レス) id: 5070d107b8 (このIDを非表示/違反報告)
ルイボスティー - 最高です!!好みにジャストミートでまじやばいっす (2021年1月6日 16時) (レス) id: adf56d1812 (このIDを非表示/違反報告)
すずな(プロフ) - めっちゃ面白くて更新されてないかな?って何回も通知見ちゃいます!笑更新頑張ってください! (2021年1月3日 21時) (レス) id: 956d20ea8d (このIDを非表示/違反報告)
せつな(プロフ) - 面白くて更新を楽しみに待たせていただいております。更新頑張ってください! (2021年1月3日 18時) (レス) id: 85ed5b09d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉月 | 作成日時:2020年12月30日 23時

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