プロローグ ページ1
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ちっちゃな頃から、
『う……うわあぁ…ん……ひっ、うわあぁん…』
泣いてばっかで、
『ごめっ……なさいっ……』
誤ってばっかで、
小2の頃、大好きだった近所のお兄ちゃん達をバカにされて、
クラスの男子に花瓶を投げつけたことがあった。
怪我はなくて、
でも、その日から、
両親は、僕が何かをしても見てくれなくなった。
『おかあさん、テスト、100点取れたよ?』
「だから何?」
駄目なのかな。
僕は。
生きていたら。
駄目なのかな。
存在自体を、
否定されている気がして、
その日から、塞ぎ込んだ。
自分を隠して、いい子を偽って。
でも、駄目だった。
結局、状況は変わらなくて。
そんなとき、近所のお兄ちゃんの一人が、僕に、
「俺ん家もちょっと大変なんだよ。お兄ちゃんがね……ちょっと、お母さんはあんまり、俺のこと気にしてないみたいだし…あはは、ごめんね?こんな話して。嫌いになっちゃったかな?」
そう言って、うっすら笑うその顔に思わず、
『ならない……ならないよ……!僕、ずっと、好き!大好きだから!お兄ちゃんのこと!ずっと!!大好きだから!』
そう言ったら、泣きそうな顔して、それでも笑って、ありがとうって言ってくれて。
もう一人のお兄ちゃんは、
「よしっ、そうそう、ドの次はソを、ララを続けて、ミの次は、またソだ。
ここの色は、青に水を多めにすると自然になる。緑は、薄くするんだ。」
ピアノと絵をたくさん教えてくれた。
やっぱり、俺はこの人達が大好きなんだって思った。
でも、二人とも離れていって
泣きじゃくった。
立ち直れなかった。
より一層暗くなって、
もう、駄目なんだ。
生きるのに飽きてしまった。
でも、そんなとき、
たまたま見た動画で、
___の声を聞いた。
嬉しかった。
また、会えるんだと。
会えるなら、何だってやってやろう。
母さんは、俺に興味なんてないから、
金だけ置いて、いつもいない。
置いていく金を貯めていて、
それを使って必要なものを揃えた。
今度こそ、
俺にもできると思うんだ。
やってみるよ。
歌い手を_______
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