【呪術廻戦】ハイスペックと最強 (渋谷事変編)

主人の最期 ページ30

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主人の…最後……

亡くなっていたことすらも知らない私には分かるわけもなかった



「お前を始末しようと何百の暗殺者が送られた。
それもそうだ。裏切り者は消さなければならない…

お前が1番分かっているだろう？」



『…』


確かに、私はロシアの裏切り者の始末をしていた。

現に沢山の暗殺者が私の命を狙ってきたが…
いつの日か来なくなった。

そう思ったタイミングで


「でもある日突然。暗殺者が来なくなったと思わないか？」


男の発言に心臓が飛び跳ねた。


『……何が…関係してるの…』


主人とそれが…一体何に…










「主人がお前の代わりに罰を受けると…上に申し立てたんだ」



『ッ…』


「死ぬまで追い詰めるつもりでいたロシアの上層部に主人は頭を下げて頼んだ。

あの主人がだ。」

'' 上に頭を下げるぐらいなら私は死ぬね ''


主人の言葉が…今になって思い出される。

あれだけ…プライドの高い主人が？私のために…？



『…』



私のせいで…主人は死んだということ…？始末されたの？

私の幸せは……主人の死の上で成り立ってたの…？


未来や過去が見える術式を持つ主人なら…
自分がこうなることぐらい分かってたはずだ。

最後…沖縄の海で会った時から、
私を連れ戻さずに帰ったあの時から…

自分は死ぬ運命だと。




それに気づいた途端、罪悪感が私を襲う。

しかしそれを上回る事実を知る。



「俺はその時失望したよ、俺の憧れてた主人はあんなんじゃない。お前の為に死ぬ主人なんて見たくもねぇ｣



『…』






「＿＿＿＿＿だから俺が殺した。終わらせた。


俺の中の主人は冷酷非道な暗殺者のまま
死んで欲しかったからな。憧れのまま……死んで欲しかった。」



'' A ''


主人が脳裏に浮かぶ。


『…貴方が…殺したの……？』



「けど呆気なかったよ。まるで未来を見たかのように…
抵抗することなく俺の刃を受け入れた


どうしてお前が僕を殺す？って困惑でもするか？
成長したねって褒めてくれるか？
何も言わずただ絶望するか？


…そんな冷酷非道な男の顔が見たかった」




『おかしいわよ、貴方……ッ！！！』


異常な程、主人に固執している男に気味悪さのあまり顔を歪める



「けどさぁ、死に際なんて言ったと思う？？？主人。」


『…』



予想もつかずただ黙っていた


すると






「'' 幸せそうでよかった'' って…笑いながら死だんだよ」

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