【呪術廻戦】我慢を繰り返した先には

。終止符を打って44日目 。 ページ44

Aside






「もう、離さないから……」


弱々しいその声に、さらに涙が溢れる。



親指の腹で優しく目元の涙を拭われ、

頬に触れられた手から伝わる体温。



五条さんの目元も涙ぐんでいて、思わず彼の頬に触れた。






五条さんに触れてる、夢なのかな、


どうして、どうして、ここにいるの？



抱き締められた途端、胸がいっぱいになって、涙が止まらない


愛する人が目の前にいる。










「もう、離れないで」


「うん、ッ」


「もう二度と…僕の前から消えたりしないで」


「はい、ッ」






「＿＿＿＿＿＿愛してるよ」



「っ……」



優しく頬に手を添えられ、そのまま唇を重ねた。


「…」


唇を離し、私を見つめる五条さん。


そんな彼に



「どう…して、ここに…

私の事、覚えてないはずなのに…」


そう聞けば




「僕言ったでしょ？
忘れないって忘れるわけないって」


「っ…」


勿忘草の花言葉について話した時のことを思い出した。

確かに、貴方は私の手を握って言った。


＿＿＿＿＿

【忘れないよ、忘れる訳ない。】
＿＿＿＿＿



涙が溢れて、止まらない。



「って言っても、君の呪いが強すぎて少し手間取ったけどね」


「ご、ごめんなさい…」


「僕、約束は守る男だよ。

特に…好きな女に対してはね」


優しい眼差し。本当に夢なのかなって疑ってしまうくらい

そんな不安を消したくって、五条さんを抱き締めた。



「……愛してますか、？」

なんて、子供みたいなことも聞いちゃって






「うん。後追いするほど愛してるよ」


「え？」



……後追い…？




体をゆっくり離して、五条さんを見れば笑っていた。



「君がループする為に自害した後、僕もしてたんだよ」


「そんな、」



「君が悠仁達の居ない世界を拒んだように
僕も拒んだんだよ。Aのいない世界を」


「っ……」








「……帰ろう、A」


そういい、手を繋がれる。


「でも、私……」



私は帰ってもいいのか、



「君の記憶、ぜーんぶ見たよ。
何回もループして悠仁達を助けようとしてたのもね」




全部…知ってるのなら…分かってくれるはず。


「今…みんなが1番幸せだと思うんです、」


「……」


「悠仁くんたちが夏油傑に狙われなくて…
これが一番みんなにとって幸せなんです


だから＿＿＿＿＿」



「そこにAの幸せはないの？」



心臓が、ドクンと、波打った。





「……」





「君の幸せは何？」

。終止符を打って45日目 。→←。終止符を打って43日目 。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す