。終止符を打って42日目 。 ページ42
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季節も移り変わっていき……
冬にもなれば、沢山咲いていた花も減った。
【寒いね、悟くん】
【そうだな】
心を完全に許したのか、ピッタリAとくっ付いている。
……いつもより、Aの元気がなくって…
【……今日で…お別れなんだ】
いつもの笑顔とは違くって、無理やり笑顔を作ってる感じだった
【…どういう事だよ】
【お母さんがね、お仕事で忙しくなっちゃうから…
遠いところに私を預けるの】
「……」
預ける…きっと櫻田家にだろう
【最後にお別れ言いたくて、】
【何言ってんだよ…】
【私のことは忘れて、また新しいお友達作るんだよ】
と、幼い僕の手を握ったA。
【おま、っまだ話は______】
【____ばいばい、】
目を瞑り、そう言った瞬間。幼い僕は意識を失った。
【悟くん、?悟くん?】
何が起こったか分からず、僕の方を揺らすA
しかし
【ぁ…もう行かなきゃ……っ】
腕時計を見て、涙を流しながら僕に自身が着てた上着をかけて
走っていった。
僕の手に握られていたのは…
さっきの扉を開けた鍵だった。
「……この時から全部…繋がってたんだね」
その後目を覚ました僕は何も覚えてなかった。
きっと…この鍵にAが無意識に自分の記憶を閉じ込めたのだろう
映像は消え、今までと同様。真っ白な空間に戻されると思った
しかしそんなことは無く、急に現れたのは無数の扉。
直線の道を作るように左右に現れた。
でも今までと違うのは扉はあっても全て開いているのだ
そしてその直線の先には閉まっている扉。
「……」
閉まっている扉に向かうため、足を動かした
ゆっくり、ゆっくり
【っ……】
【お前の母親は迎えになど来ない!!!!!】
ぶたれるA。
道を作る扉は開いている。そのため中の映像が見えるのだ
左右の扉を見ながら、歩く。
【お母様〜!】
【どうしたの望未〜】
【Aが一緒の屋敷にいるって思うと怖いの…
だって私たち他人なのよ?】
【そうね〜っ じゃあ、外にある物置にでも移動させましょ〜!】
【こ、こんなところじゃ寒くて死んじゃ___】
【口ごたえするんじゃないよ!!!!!
生かしてやってんだから!!】
【ごめんなさいっ、だから殴らないで、っ】
笑顔だったAはそこにはいなくて、
ただひたすらに、怯えるAがそこにいた
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saachan(プロフ) - 最高でした。物語の内容から秘密が解ける所も考えられていて、感動でした! (9月25日 6時) (レス) id: 19e4ed7fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - あ“あ”アアアアアアア“ しにやしたわ (8月21日 15時) (レス) @page50 id: 00641871ce (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ラテ - あ”ー涙が止まらない”ぃーーーーー (6月1日 21時) (レス) @page50 id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
由衣(プロフ) - 天才だと思います。考え抜かれたストーリー、緻密な伏線、原作に忠実な登場人物の仕草や口調、そのどれもが高密度で滑らかに仕上がっていて素晴らしい物語だと思いました。一生忘れたくない物語に出会えたこと感謝します。 (2023年1月10日 22時) (レス) @page50 id: e683fae7d7 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - 読む手が止まらなくて気づいたら朝になってました…!すごく良かったです! (2023年1月9日 5時) (レス) id: 3fb130f810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年10月28日 17時