。終止符を打って15日目 。 ページ15
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「どうしたの、3人で……」
悠仁の後ろには野薔薇と恵もいた。
任務終わりなのかな
「……みんな、心配してますよ。顔色が悪いって」
「あぁ…ごめんね。心配かけちゃって」
恵の言いたいことも分かる。
この3日間……僕、抜け殻みたいだったしね
別に悪夢を見て寝れないわけじゃない。
なんなら悪夢は見なくなった。
でも……
「今の僕、喪失感半端なくって立ち直れそうにないんだ」
笑えてただろうか。恵から返答はない。
高専の帰り道だって、夕食の時だって、寝る時だって……
いつもAが居てくれた。
ただ毎日……Aはいないって思い知らされる日々で…
空っぽは埋まらなくて。
「任務も仕事も支障は出さないようにするから、心配ありがとね。」
日も暮れたし、早く帰りな〜
悠仁達に そう、言おうとした。
しかし
、
「その……Aさんの事…教えてよ」
「……」
悠仁から言われた言葉は予想外で、言葉が喉で止まった。
だって、みんな僕の話を信じなかったからだ。
いや、普通信じないのが当たり前なんだろうけどさ
「…どうしてそんなこと聞くの?」
「聞きたいから」
「……」
熱い視線は悠仁だけじゃなかった。
恵も野薔薇も気になってるようだ
「……」
どんな人……か。
、
「名前は梵 A。
僕の婚約者であり、高専の補助監督をしていたよ」
その後は自然と、言葉が出てきた。
「謙虚で…優しくて、綺麗な女の子。自分が犠牲になっても、周りの人間を助けたいっていう善人の塊だったね。」
人を疑いもせず、自分の気持ちを信じて突き進む子。
善人の塊が故に、自己犠牲も問わない。
「料理も上手くて……この忙しい僕が任務と仕事をちゃんと定時に終わらせてまで夕食一緒に食べるの。」
「あの五条先生が!?」
悠仁。そんなに驚く?
「そう。笑っちゃうでしょ
……婚約指輪だって、店でいっちばん高くてAに似合うやつ探したし…事前にネットとかで調べて、硝子達に聞きまくったなぁ」
「先生が指輪選んでるの想像出来ないわ……」
信じられないと言わんばかりの顔やめてよ野薔薇。
「あっ。あと、呪術界を敵に回してでも連れ去ろうとしたしね」
「なんかそれは予想できます」
どうしてこれは予想できるんだよ恵。
思い出せば思い出すほど会いたくなる。
、
「まぁ……もう会えないんだけどね」
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saachan(プロフ) - 最高でした。物語の内容から秘密が解ける所も考えられていて、感動でした! (9月25日 6時) (レス) id: 19e4ed7fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - あ“あ”アアアアアアア“ しにやしたわ (8月21日 15時) (レス) @page50 id: 00641871ce (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ラテ - あ”ー涙が止まらない”ぃーーーーー (6月1日 21時) (レス) @page50 id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
由衣(プロフ) - 天才だと思います。考え抜かれたストーリー、緻密な伏線、原作に忠実な登場人物の仕草や口調、そのどれもが高密度で滑らかに仕上がっていて素晴らしい物語だと思いました。一生忘れたくない物語に出会えたこと感謝します。 (2023年1月10日 22時) (レス) @page50 id: e683fae7d7 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - 読む手が止まらなくて気づいたら朝になってました…!すごく良かったです! (2023年1月9日 5時) (レス) id: 3fb130f810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年10月28日 17時