。終止符を打って14日目 。 ページ14
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「……」
いつも通り、術式を使ったつもりだったが…
目の前では崩壊するビル。
……また伊地知に色々言われちゃうな
これで4回目か。
跡形もなく消えた呪霊。
帳が降りれば、何事もなかったかのようにその場を後にした。
意識を取り戻してから3日。
僕に休みなんてない、任務と仕事が繰り返される日々。
ほんと、今の僕…気持ちが落ちてるせいか
呪力すら上手く制御出来てないんだよ
だからビルだって半壊させたりしてる。
少しぐらい休ませて欲しいものだ
_______
「……」
報告書なんて僕が出すわけない。
気づいた時には誰もいない教室へと足を運んでいた。
「…」
教卓の机に触れれば、思い出される記憶。
日が暮れて誰もいない教室で教卓の前にいた……
あの時と何が違うのだろうか。
……そんなの分かりきってる
指輪も無ければ……この世にAの存在だって無い。
「……」
あの後…悠仁達以外にも聞き回った。
けど…誰1人、そんな人知らないと……口を揃えて言う。
……全部……全部思い出したんだよ
僕が君にしたことも、君に何があったのかも
全部…全部。
呪いをかけたのは知らない女でも何でもなかった。
この世でたった1人の僕が愛した女だった。
____
【___五条さん】
_____
僕の名前を呼ぶ君が脳裏に浮かぶ。
会いたい、会いたくて仕方ない。
「こんな呪い……望んでないよ…馬鹿野郎…」
君が犠牲になってまで、取り戻した日常。
この胸のからっぽは…君のせいだったんだ。
犠牲にまでなったのに…
僕のからっぽが埋まらないこと…知ったら怒るかな、悲しむかな
この間、硝子に後追いなんて柄じゃないなんて言ったけど…
それもいいかもしれない。
Aのいない世界なんて、なんの意味があるのだろう
前世……と言ってもいいのか、
Aが死んだ後の記憶も流れ込んできた。
僕はAの後を追うように死んだ。
僕が死んだら呪術界はどうなるのか、みんなはどうなるのか…
それを考えるより先に、死を選んだ。
「……」
記憶を無くしたり、存在が無くなったことより……
君を失ったという喪失感の方が、まるで呪いだよ
「………僕がそっちに逝ったら…怒るかな」
誰もいない教室に僕の独り言が響いた
その時
、
「あ!!いた!五条先生!」
「…悠仁……」
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saachan(プロフ) - 最高でした。物語の内容から秘密が解ける所も考えられていて、感動でした! (9月25日 6時) (レス) id: 19e4ed7fb5 (このIDを非表示/違反報告)
Kさん - あ“あ”アアアアアアア“ しにやしたわ (8月21日 15時) (レス) @page50 id: 00641871ce (このIDを非表示/違反報告)
抹茶ラテ - あ”ー涙が止まらない”ぃーーーーー (6月1日 21時) (レス) @page50 id: 5f87212f07 (このIDを非表示/違反報告)
由衣(プロフ) - 天才だと思います。考え抜かれたストーリー、緻密な伏線、原作に忠実な登場人物の仕草や口調、そのどれもが高密度で滑らかに仕上がっていて素晴らしい物語だと思いました。一生忘れたくない物語に出会えたこと感謝します。 (2023年1月10日 22時) (レス) @page50 id: e683fae7d7 (このIDを非表示/違反報告)
西(プロフ) - 読む手が止まらなくて気づいたら朝になってました…!すごく良かったです! (2023年1月9日 5時) (レス) id: 3fb130f810 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒姫ユキナ | 作成日時:2022年10月28日 17時