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YOU side
そうしてやってきた約束の木曜日。営業たるもの、普段から見た目に気を使ってはいるが、今日はいつもより気を使った。
ストライプの入った紺のスーツに黒のネクタイ。親との食事の時に履いていくお高めの革靴。無難だが、スタイルは良く見える。
ユンギから貰ったネクタイもあるが、あれは汚すと嫌だから滅多につけない。大事に保管してある。
髪型はあからさまに変えるとソクジンがうるさそうなので、いつも通りに。ただ、いつもより高い礼装用の整髪剤を使った。
朝、鏡の前で普段より多少はマシになった自分を確認して家を出た。
くたびれた姿は見せたくない、と精力的に働き、周りを驚かせた。それはそうだろう。月の半ばの木曜日なんて俺が1番死んだ顔で仕事をしてる日だ。
まぁ、そのせいでソクジンには案の定バレたが。予想通り絡まれた。
「結局店どこにしたの?」
「ここ此処。この店美味いんだよ。」
「……うん、いいんじゃない?」
だよな!と返し、ルンルンで仕事を進めた。多分いつもより効率よかったと思う。
そしてようやく定時の時間。勢いよく立ち上がり、声を張り上げてオフィスを出る。ニヤニヤしたソクジンも一緒に。
「なんで一緒に来るんだよ。お前仕事まだあっただろ。」
「家で終わる量だから大丈夫!それに、同期の恋愛事情は気になるだろ。」
「恋愛じゃない!年下に格好つけるだけ!見栄だよ見栄!」
「ハイハイ、そうでしたそうでした。」
絶対にわかっていないソクジンと会社の駐車場まで歩く。早々にエンジンをかけ、ユンギを迎えに最寄りの駅まで車を走らせる。
道中、あと5分で着く、という連絡を受け急ぎ駅の乗り降り場に向かった。
駅で待っているとスマホに着信が。
「もしもし、ハジュニヒョン?今着いたけど何処に行けばいい?」
「出口のすぐ横の一般車乗り降りんとこ来てー。深緑の普通車。俺車の横立ってるからわかると思う。」
「了解。もうちょい待ってて。」
うわぁ、なんか緊張するー!店の外で会うのこんな緊張するもの?同伴希望の姫達すごいな。
と、1人考えているとすぐ隣から聞きなれた声が聞こえた。
「お待たせ、ハジュニヒョン。迎えありがと。」
「ひぇ、」
そこにはストレートのミントグリーンだった髪がゆるいパーマのグレージュになって、私服だからか店の時と雰囲気の違うユンギが立っていた。思わず変な声が出てしまった。
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ruru_chandayo00(プロフ) - 続き気になりすぎです、、ユンギ頑張って、、 (10月16日 14時) (レス) @page32 id: 9f9b345cea (このIDを非表示/違反報告)
にしむら - あわわ、好きすぎます...!更新嬉しすぎてぶっ飛びます!wwこれからも頑張ってください! (2022年12月24日 14時) (レス) @page32 id: d8014ebbb9 (このIDを非表示/違反報告)
Rara(プロフ) - また更新してくれていてこの作品大好きなのでとっても嬉しいです!!!更新頑張ってください!! (2022年9月26日 1時) (レス) @page30 id: d3a5a80530 (このIDを非表示/違反報告)
間宮るぎ(プロフ) - jimizukoさん» コメントありがとうございます。長らく放置していたら自動的に完結になっていました···。また少しずつ更新していきますので、見ていただけたら嬉しいです。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: 686a146e94 (このIDを非表示/違反報告)
間宮るぎ(プロフ) - pcmtpokさん» いつもコメントありがとうございます!また少しずつ更新するので、見てくださると嬉しいです!よろしくお願いします。 (2022年9月25日 18時) (レス) id: 686a146e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:間宮るぎ | 作成日時:2021年8月12日 20時