Struggle85 ページ36
貴方side
最初の佐倉さんのレイドを見て、思った事は……
戦法が正くんととても似てるって事と、回転技を自陣に戻る際に使っていた事。
今までの能京の練習で無かった事かもしれない。
貴方｢すごい身軽……｣
ピーーー！
審判｢紅葉攻撃成功｣
佐倉さんの圧巻の動きに能京メンバーも口を開いていた。
宵越｢自陣に戻る時に回転使ったろ。タッチ以外でも使えんだな｣
佐倉｢ﾊｧﾊｧ……少し違うけど、回転は回避以外攻撃にも使えるね。王城さんが教えてくれた事、発展させたんだ｣
正くんの技を自分なりに磨き上げたと…！
宵越｢カウンター…部長に突っ込まれることは織り込み済みだったのか｣
佐倉｢ううん。ただ僕はいつも敵が自分の予想を２、３段階超えてくることを想像する。それだけなんだ。カバディから離れてた分、全力で練習したくて…｣
宵越｢……｣
カバディから離れてた分？
私は静かにベンチで二人の会話を聞いていた。
宵越｢離れてた！？｣
佐倉｢うん、去年の冬まで…｣
宵越｢何か事情があったのか…？｣
少し遠慮交じりに宵越くんが聞いた。
右藤｢気軽に話すような事じゃないだろ｣
佐倉さんは右藤さんの発言で黙りながらコート内に戻ろうとする。
宵越｢だったら…この試合に俺達が勝てたら話すってのはどうだ？｣
佐倉｢……いいよ、でも僕は負けない｣
なんか……なんかなんか！！
ただの練習試合にならなさそうな予感！！
端から聞いてる私としても佐倉さんのそんな話聞いたらちょっと気になるもん。
メンバーも相手チームの特性を少し知れた所で合同練習は終わった。
貴方｢正くん、皆！お疲れ様！｣
宵越｢……｣
宵越くんは今回の試合の戦法を考えてるようだった。
水澄｢Aー！飯食おうぜ！｣
貴方｢はいはい！｣
人見｢ぼ、僕も！｣
正くんと井浦さんは何か二人で話しながら昼ご飯を食べていた。
練習試合も大会の為の1つの道。
2人にとって１つ１つの練習が大切なものなんだろう。
ー午後ー
ピーーー！
ホイッスルの音と共に選手がコートに並ぶ。
審判｢それでは能京対紅葉！試合を始めます！｣
全員｢｢しゃっす！｣｣
いよいよ能京の第2回目の練習試合が始まる。
審判｢それでは先攻！紅葉！｣
佐倉｢カバディ…｣
佐倉さんのキャントが始まる。
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作者名：うじっしー | 作成日時：2021年5月19日 1時
