Struggle74 ページ25
水澄side
水澄｢カバディって、守備がダメだと追いつけないようになってんだよね｣
練習終わり、俺はシューズを磨きながら同チームの畦道と話していた。
水澄｢……」
初めての大会で、バケモンみたいな所と当たった。
こっちは殆どが助っ人、俺も完全にカモ。
何度もコートの外に出た。
その度に部長が何度も戻してくれた。
攻撃で点を取って……
何度も……何度も…
点を取られる為にコートに戻るみたいだった。
いっそ……いない方がマシなんじゃないかって思った。
大会の後助っ人は消えた。寄せ集めじゃダメなんだ。
守備力のある人間を……！もうあんな惨めな思いはしたくねぇ。そう思った矢先に勧誘したのが伊達だった。
伊達を部活に入れたものの、アイツはガタイだけ良くてそれ以外はカバディにおいて不器用。
2回目の大会で俺はまた同じミスをした。
ただカモを増やしただけ。
その後殴り合いの喧嘩だってした。
(王城『闘志を燃やすのはいいけど…殴るのは反則…悔しいのはみんな一緒だから…ね？』)
喧嘩も部長が止めてくれた。
なんか俺カッコ悪いよな。
水澄｢はぁ……｣
こりゃ後輩には言えねぇな。
畦道｢水澄先輩…？どうしたんすか？黙り込んで…｣
水澄｢あ…あはははは！！部長に勝つ作戦でも練ろうか｣
ー夜ー
水澄｢ﾊｧﾊｧﾊｧ…｣
部活が終わってランニングをしていた時だった。
伊達｢水澄…！｣
水澄｢おぉ、伊達、お前もランニング？」
伊達｢あぁ｣
俺達ふたりのランニングする足音が響く。
水澄｢なぁ真…部長の腕ってほっそいよなぁ｣
伊達｢何だよ、急に｣
水澄｢思わず喧嘩やめたの覚えてる？｣
2回目の大会の後、俺が真に野球の話をして始まった喧嘩。
伊達｢あの時の事か…恥ずかしいから思い出したくないな(笑)｣
水澄｢はははっ。でもさ、あれからちゃんと協力するようになってさ、色々遊んでるうちに本当のダチになったじゃん……それ、1回忘れるよ。真とはまた繋がれる｣
言っておきながらなんか照れくせぇな。
水澄｢今は…成長して部長に貢献できるのが1番カックイイっしょ｣
伊達｢そうだな｣
水澄｢だから…どっちが先に部長を倒すか…｣
伊達｢勝負か？｣
水澄｢え？違うねぇ、俺は昔に戻るって言ってんの。｣
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作者名：うじっしー | 作成日時：2021年5月19日 1時
