Struggle23 ページ24
宵越side
その夜、家に帰り物思いにふけていると…
コンコンコン…
夜に誰だよ…
ガチャッ
宵越｢部活の勧誘ならお断り…って部長！？｣
王城｢肉じゃが、おすそ分けしに来たんだ(ﾆｺｯ)｣
状況がまともに理解できないが、とにかく部長を部屋に上げて肉じゃがと白飯をかき込んでいた。
王城｢どう？割と自信作なんだけど……｣
宵越｢……美味いっす…｣
割とガチ目に美味すぎる……
王城｢よかった……｣
宵越｢しかし本当に美味いな…｣
王城｢…全国ってさ……どんな人が行ける世界なんだろう…｣
宵越｢っ…？｣
先程までのにこやかな雰囲気とは裏腹に真剣に話をしてきた。
王城｢試合に1度も勝ってないのにこの質問は…烏滸がましいかな……｣
宵越｢全国に行ける人間は……本当に全国を目指した奴…｣
王城｢！！｣
宵越｢って言うのは建前で、実際に行けるのはひと握りの天才だと思う。それに、不倒だと持て囃されてもベスト4止まりだった。｣
王城｢……｣
宵越｢部長はいつからカバディやってんだよ｣
王城｢覚えてないくらい昔から…｣
宵越｢一緒だな｣
王城｢中学の頃はカバディの協会に声をかけてもらって何度か海外に行ったりしてた。｣
宵越｢か、海外！？｣
王城｢サッカー程の規模じゃない、アジアだけの大会だよ。｣
いや、それでも日本代表みたいなもんじゃねーか！
王城｢完敗だった…それなりに自信あったんだけど…上には上がいるって分かりきってた事なんだけどね。スポーツやってたらさ。でも続けちゃうんだよなぁ｣
宵越｢……勝てなきゃ面白くねーだろ｣
王城｢まぁね、負けが面白いなんて思ってる人はいないよ。皆頂点に立ちたいと思ってるんだ。｣
部長はその場で立ち上がった。
王城｢日本で少しずつ広がっていくカバディを練習する仲間と勝ち上がる…その目標は……ずっと僕の中にある｣
宵越｢！｣
何て言ったらいいんだ
部長がデカく見えた
身体とかじゃなくて、その何というか…
王城｢カバディでなろうよ……君もなりたかったんでしょ？……日本一｣
宵越｢俺はアンタにすら勝てなかったんだ…｣
王城｢試合で負けた時は悔しかった？｣
バンッ！
宵越｢当たり前だろ！｣
王城｢悔しかったのはこっちの方だ…｣
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作者名：うじっしー | 作成日時：2021年5月4日 2時
