episode183 ページ40
その夜……
自室にて眠っていると、誰かが私の部屋に入りベッドに腰掛けたような感覚を感じ取った。
貴方「……ん」
寝ぼけた目をこすってじっくり見てみるとそこには……
貴方「!!!」
ウィリアム「こんばんわ、姉さん。起こしてしまったかな」
ギュッ
咄嗟に私はウィリアムを抱きしめた。
貴方「ウィリアムっ……泣」
私自身がウィリアムと会うのがとても久しぶりだった。
ウィリアム「最期までに姉さんに会いたかったんだ。」
貴方「どうして……」
ウィリアム「いつも言ってたでしょう?A姉さんは僕の光だと。暗黒の世界で僕を照らす明るい姉さん。いつも皆に頼られる存在の僕だけど1番安らげる存在。」
ルイスもだと思うけど、彼にとっては唯一の血の通った弟だからこそ…愛してるからこそ守らないとって気を張りつめてたのかもね…
貴方「そう言われると照れるわ……」
ウィリアム「姉さんは幼げなのにどうしてだろうね。母親みたいな包容力で姉さんの所に帰りたくなるんだ。」
貴方「ふふっ、それいつもルイスにも言われてたわ。ウィリアム、貴方の帰る場所はいつでもここにあるのよ。」
そう言うとウィリアムは自分の手の平を見つめていた。
貴方「…………」
私には見えない汚れ。
ウィリアム自身には自分の手が真っ黒に見えるんだろう。
ギュッ
私はウィリアムの手を握った。
何も言わずに。
何を言っても傷つけてしまうんじゃないか、離れてしまうのではないかと不安だった。
ウィリアム「姉さん。大好きだよ。A姉さん。」
ウィリアムは俯きながらそう言った。
貴方「私もよ、ウィリアム。貴方は本当の私の弟。だからこそ貴方を本当は自分の近くから離したくない。」
少しの沈黙の後、ウィリアムが口を開いた。
ウィリアム「……こんなに大きくなっていたのか…」
彼の目線は私のお腹。
貴方「そうなのよ。この子に毎日のようにボンド達が話し掛けてくれるし……ん?」
ウィリアムは私のお腹に手を差し伸べたが、すぐに引っ込めた。
貴方「どうしたの?」
ウィリアム「いや、何でもないよ。」
貴方「ウィリアム、触れてあげて」
ウィリアム「触れない」
貴方「どうして?」
ウィリアム「僕の手は…」
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うじっしー(プロフ) - 梓さん» コメントめちゃくちゃ嬉しいです!!そのお言葉で更新頑張れちゃいます!ありがとうございます!! (2021年4月13日 18時) (レス) id: d3a8c31e55 (このIDを非表示/違反報告)
梓 - 更新ありがとうございます!!更新の話数が多くてとっても嬉しいです!これからも楽しみに読ませていただきます(≧∇≦) (2021年4月13日 18時) (レス) id: 4a35916047 (このIDを非表示/違反報告)
うじっしー(プロフ) - アルパカさん» いつもいつもありがとうございます!アルパカさん大好きだァァ! (2020年12月11日 17時) (レス) id: d3a8c31e55 (このIDを非表示/違反報告)
アルパカ - 早い、早いぞパート4!そして面白いです!これからも更新頑張ってください!!! (2020年12月11日 17時) (レス) id: e49c543ba9 (このIDを非表示/違反報告)
うじっしー(プロフ) - 心美*°(見る専門)さん» 投稿をして誤字の見直しをしていたらこんなにも早くコメントを頂けるなんて!前回のPartでもコメントありがとうございますヽ(*^^*)ノ頑張りますねっ (2020年12月11日 0時) (レス) id: d3a8c31e55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うじっしー | 作成日時:2020年12月11日 0時